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グレンデルは本をぱたりと閉じ、本を玉座においてゆっくりと立ち上がった。
「そう、そうして選ばれたのがノア、キミだよ」
「グレンデル……」
ノアは玉座の間に入る。
重い扉は一人でに閉じられた。
「意外と早かったね。お友達でも囮にしてきた?」
「違……、私は……!」
「じゃあどうしてキミはここにいるの?
あの子、イーラに三人で勝てると思ってるの?」
どうして、どうしてとグレンデルは静かに呟く。
その言葉はじわりじわりと心に侵食し、不安を掻き立てるようだった。
「……ですが、私は信じています。あの方々ならきっと勝つと、私はそう信じています」
不安を振り払うように、ノアは凛とした態度でそう述べた。
グレンデルはさも面白くなさそうにふんと鼻で笑う。
「信じる者は救われる?キミも馬鹿な事考えるね」
「グレンデル、私からも質問です。
どうして法具……、グレンデルに手を出したんですか」
「んー?そうだね」
ノアはずっとその事が気になっていた。
以前のグレンデル、カイン・レヴァリエは優しい人間で、一族には彼を慕う者もいた。
そんな優しい人間が悪魔の法具に手を出すはずがないのだ。
「ボクはね、一人になりたかったんだ。周りにだーれもいない静けさ。
それがただ欲しかっただけ」
「どういう、意味ですか」
ノアは意味が理解出来ず、もう一度グレンデルに問いかける。




