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一面が白い雪で覆われた銀世界。
遥か上空には分厚い暗雲が立ち込めており、突き刺すような冷たさを持った一陣の風が、ノア達を包み込む。
ローブを纏っていないと言うのに不思議と寒さは感じられなかった。
この旅の最終地点、フィーニス。
ノアは古城の扉へ手をかけるが、その手はいつまでたっても扉を開こうとはせず、どこか躊躇している様に見えた。
「あの、皆さん……」
ノアは扉から手を放して、ハク達の顔を見やる。
その瞳に映る自分の顔は、悲しそうで、迷いが見てとれた。
「もし、もしもですよ。この旅が終わったら、私達は、離れ離れになってしまうのでしょうか」
テルティウスから、そのことがずっと気がかりだった。
ノアはずっと一族の使命の為だけに動き、残った一族も、肉親も、今やグレンデルただ一人。
今の自分にはこの旅だけが自分の全てだった。
物語に終わりは必ずくる、それが悲劇であったとしても。
物語の終わりは、もうすぐそこまで迫っていたのだ。
「紫ちゃん、物語は終わらないぜ。この旅が終わったって、オイラ達は友達だぜ」
レイルはノアの手を取る。
不安に満ちた自分の手は、少しだけ震えていた。
「当たり前だろ、ノア。俺達まだ友達らしいこともしてねぇだろ」
「ああ、こんな旅で終わりなど、間違ってる」
まだ終わらないよ、そう言うかの様に皆はノアの手を取る。




