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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第十七章
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9


『……ああ、ニアクよ、カインよ。願わくば我が魂、主と共に……!』


スペルビアの身体は法力となって天へ昇っていく。

辺りに散った羽根もスペルビアの身体と共に消え去り、残されたのは荒れ、血の残された雪原だけだった。


「法獣の存在は法具と密接に関係してて、法力さえあれば死ぬことはないぜ……」


レイルが天へ昇り、自然界へと還る法力を眺めて呟いた。

それはスペルビアが、恐らく天にいるニアクと再会出来ないことを意味していた。


「皆さん、行きましょう、ここで止まってなどいられません……」


ノアはハコブネをマフラーに戻し、ソリのある方へと向かい、簡単な手当てをしてからフィーニスへと向かった


全員が何も語らぬまま、時が過ぎ、ソリはある場所へとたどり着く。


古くは栄えた国とされ、今や面影のない雪と瓦礫に閉ざされた終わりの国──フィーニス。


その国の、砦のような大きな城の前に、ノア達はいた。


「皆さん、行きましょう!」


ノアは城の扉に手をかける。

果たして待ち受けるのは、希望か、絶望か。

今はまだ、誰も知らない。





第十七章「怪物を愛した怪物」終了



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