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『我がここで倒れれば、またニアクの時の様にカインの命を奪うのであろう!』
スペルビアは怒気を孕んだ口調で強くそう言った。
この法獣は恐らく、遥か古。
最初のグレンデルの所有者ロベリア・ニアクに仕える騎士のような存在だったのだろう。
それが今はグレンデル、カイン・レヴァリエに仕え、彼のために戦っていたのだ。
「いいえ、スペルビア。私はグレンデルを……、カインを救うために一族の巫女として……!」
『黙れ!何が一族の巫女だ!そういって神は、アオンは、ハコブネの巫子は我が主ニアクを殺した!
ハコブネの一族の言う正義などありはしなかった!!』
スペルビアは雪の上に伏したまま、怒りに満ちた声でそう叫んだ。
ノアはなにも言えなかった。
恐らくグレンデルを救う手立てである光の刃の正体すら未だわからず、握ったナイフがニアクを殺したのもまた事実だった。
『ハコブネの一族など滅びてしまえ!
我が主を奪う巫女に呪いあれ!!』
スペルビアはまるで呪詛のようにノアに向けて吐きかける。
すると衰弱したスペルビアの身体はきらきらと輝きだした。
法獣の身体が、法力となって昇華し始めたのだ。
『この身体も、もはや限界か……』
スペルビアは静かに、ぽつりと呟く。




