143/167
6
「おいレイル!とっとと起きろ!」
「んえぇクロスケもなかなかむちゃぶりするんだぜ!」
レイルは勢い良く起き上がり、起き上がり様に杖を地面に突きさした。
ハクとコクは壁の現れる場所まで下がり、三人は防御壁に包まれる。
羽根は三人に至ることなく壁によって弾き返され、ばらばらと雪の上に羽根が舞い散る。
レイルは杖を引き抜き、その先をスペルビアに向けた。
「いい加減ウチのお姫様返すんだぜ!」
アルカナロッドから何発もの法弾が撃ち出される。
法弾はスペルビアの頭や翼に命中し、小さな爆発音が鳴り響いた。
『ぬううっ……!』
スペルビアは仰け反り、足が少しだけ浮いた。ノアはその一瞬の隙をついて自身を拘束していた足から抜け出す。
『小癪な!!』
スペルビアは再び翼を大きく広げた。
再びあの羽根が放たれる。
そう直感するも防ぐ手立てであるコクとレイルは遠い──。
『滅びよ!』
数えきれないほどの羽根の刃が放たれた。
それは一つ一つに殺意を孕んでおり、それだけでもぴりぴりとした衝撃がノアを伝う。
コクのシロガネも、レイルの防御壁にも頼ることが出来ない。
ノアは覚悟を決めて、降り注ぐ羽根の刃に向けて走る。




