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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第十七章
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142/167

5


スペルビアは一瞬怯んだが、すぐに体勢を立て直す。

雪の上に降り立ったノアに前足で蹴りを入れ、ノアがふらつくと上から押さえつけるように踏みつけた。


「ぐ、ああっ!!」


ノアが短く悲鳴をあげる。

体重をかけられ、身体はみしみしと悲鳴をあげた。


それでもスペルビアは踏み続ける事をやめず、雪の上に身体を押し付けた。


『我が主を奪うハコブネの一族など、ここで潰えてしまえ!』


重い身体で押し潰され、このままノアの身体は壊れてしまいそうだった。

自分はここまでか、そう諦めかけたとき、雪を踏みしめる音が聞こえた。


「させる、ものか!」


音の主はハクだった。あの斬撃から目を覚まし、スペルビアの背後から斬りかかる。

スペルビアの半身に大きな傷をつけ、雪の上に血がぼたりと垂れ流された。


「コク、任せるぞ!」


「寝起きに難題吹っ掛けてくんなっての!!」


ハクが一旦引き、コクが前に出る。

じゃらりと白銀に輝くシロガネの影を背後に現し、コクは二刀の小太刀で斬りかかる。


ハクのつけた傷に乗せるように小太刀で斬り、引くと同時にシロガネの影を撃ち出した。

傷は大きくなり、さらに血は吹き出した。


『竜モドキ風情が!』


スペルビアは吠えるように仰け反り、翼を大きく広げる。

再び羽根は嵐の如く撃ち出された。



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