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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第十七章
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怪物を愛した怪物


ひゅうっと冷たい風が吹き抜ける。

ノア達が進むにつれて、周囲には古びた建物の残骸が多くなってくる。


昔、ここはノニウスという町だったと思われるが、今はその面影もなく、建物も風化していき、まるで周囲が少しずつ終わりに向かっているような場所だった。


──ノニウス雪原。


レイルのアルカナロッドでソリを引き、ノア達はフィーニス手前にある雪原まで到達することが出来た。

レイルはアルカナロッドで飛んでいる最中、上空にあるものを発見する。


それを再確認するように、ゴーグルをずらした。


「皆!あれ!」


レイルはソリの勢いを殺すことなく上空を指差した。

そこには絵の具をぐちゃぐちゃに混ぜたような門が出現しており、ノア達は、その門に見覚えがあった。


あれはクィーントゥスで見た法獣が出現する前兆の門だった。


「レイルさん!止めてください!」


ノアの言葉と共にソリは停止する。

アルカナロッドは少しずつ高度を落とし、レイルは雪に足をつけた。


門の中から法獣が現れる。

それはグレンデルが騎乗用に使う法獣で、翼の紫色の濃淡の美しい、グリフォンの姿をしていた。


ゆっくりと、少しずつ降りてくる。

大きな翼を広げ、ノア達を見据えた。


『汝──。ハコブネの巫女よ……』


「法獣が、喋るだなんて……!」


ノアは思わず呆気に取られる。

法獣は滞空したまま、低く威厳のある声で言葉を繋ぎ始めた。



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