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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第十六章
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137/167

14


あれから日が過ぎていき、ノア達の傷も完全に癒えた頃。

ノア達は大きなソリに荷物を積み、旅立つ準備をしていた。


「ガリルさん、長い間お世話になりました」


「ほんとッスよ。オレっちが止めてもフィーニスに行こうとするんッスもん。手のかかるねーちゃんッス」


「す、すみません」


ノアは深く頭を下げた。

傷を休める期間の間、ガリルには何度も手を焼かせた。だがそれも今日で最後だ。


「なんだかわかんないッスけど、頑張るんッスよ!」


「はい……。レイルさん!」


「がってーん!」


レイルはアルカナロッドを取りだす。

ソリと共に借り受けたゴーグルを装着し、アルカナロッドをロープで繋いだ。


レイルが自身の法具にのると、準備は完了。

皆もソリに乗り込む。


「ガリルさん!ありがとうございました!」


「また会おうぜ!」


それぞれが短く挨拶を交わす。


「おう!いってらっしゃいッス!」


ガリルが大きく手をふる。

それと同時にアルカナロッドはふわりと飛び、勢い良くソリは動き出した。



雪の上をソリが駆ける。

オクタヴィウスも見えなくなったころ。

遠くで狼の鳴き声だけが、この真っ白い雪原に響き渡った。





第十六章「銀狼の遠吠え」



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