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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第十六章
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133/167

10


牙は容易く折られ雪の上に突き刺さる。

魔物の大きな身体は数回雪の上跳ねたかと思えば、雪の上に横たわり、それ以上動くことはなかった。


魔物と言えど、ベスティアの力で殴られてしまえばひとたまりもないだろう。


「さぁて次はどいつッスか!」


ガリルはにかっと笑い、魔物達へと振り向いた。

一頭が、ガリルに向けて突進する。


「おっとっと、危ないッスね」


ガリルはぴょんと宙返りして避ける。

避けざまに獣化し、着地と共に銀の毛並みの美しい狼へと変身した。


そして猪の喉笛へと食らいつく。

暴れる猪の魔物を押さえつけ、ギリギリと力一杯喉笛に噛みついた。


だがもう一頭がガリルに向かって突進し、ガリルはぴくりと耳を動かす。


「いいッスよー、二頭同時も楽しいもんッス!」


そう言ってガリルは変身をといた。

人間体になり、尻尾がゆらりと動く。


だが魔物はガリルを無視してその後ろ。ノアとレイルのいる方向へ一目散に走る。


「ちょ、そっちオレっちの家ッスよ!!」


ガリルが止めようと向かうももう遅く、ノアとレイルの目の前には魔物がすぐそばまで迫っていた。


「危ないぜ!」


「きゃっ!」


レイルがノアをドンと押し、その場から退避させるも家の中にはハクとコクがいる──。


「ダメですっ!中にはお二人が!」


ノアが叫ぶも、魔物はドア目前まで迫っても走る事をやめなかった。



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