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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第十六章
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130/167

7


「大丈夫ですよ。レイルさんがベスティアの方を呼んできてくださったのでしょう、ありがとうございます。それからそちらのベスティアの方も、ええと」


「ガリル、ッス。ガリル・ローウェンッスよ」


ノアが青年の名前を聞くと、どこか聞き覚えのある名を名乗る。

それはフィオの言っていた、フィオの友人の名前だった。


「もしかして、フィオさんの?」


「うッス!にーちゃんねーちゃんがお嬢の知り合いとは驚いたッス!」


やはりフィオの言っていた人物だった。

ノアはガリルにフィオの件を伝える。


「そッスか。お嬢、やっぱ寂しいんスね。

ありがとうッス。またクィーントゥスにも行ってみるッス!」


ガリルはにかっと笑ったあと、少し間をあけて不思議そうにノアとレイルを見つめた。


「そう言えばねーちゃん達はどうしてこんな所に?」


「こんな所に、とは。ここはどこなのでしょうか」


ガリルはノアの言葉にそれもそッスねと短く言うと、玄関の方へ歩いていき、ドアを開けたそこには、雪景色が広がっていた。


「ここはオクタヴィウスッスよ、こんな寒いとこに物見遊山なわけないッスよね」


ガリルは冷たい空気の入るドアをばたんと閉めた。


「ええ、少し。フィーニスというところへ用事がありまして……」



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