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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第十六章
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128/167

5


こちらをじっと見つめる狼を警戒し、同時にノアは辺りを見回した。

先ほどの音の主である暖炉に、家具。


天井と見回して、ここがどこかの民家であることを察する。

自身には包帯が巻かれていることに気づき、辺りをみるとそこには布団に寝かされ、包帯の巻かれたハクとコクの姿もあったが、レイルの姿はない。


「さて、どうしましょう……この身体ではろくに動けませんし……」


ハクとコクは起きるようすもない。ここの家主が助けてくれたのだろうが、あいにくその家主の民家に狼が忍び込んでいる。

痛む身体では一人で逃げることも叶いそうになかった。


「何か色々考えてるみたいッスけど、大丈夫ッスよー」


狼はウサギを床に置くと、突然ぺらぺらと人語を語りだした。


「狼が喋っ……! あ、ベスティアの方でしたか!」


ノアはほっと安心し、ハコブネをマフラーに戻す。


「そッスそッス。すんません、狩り中だったッスから。今人型になるッスよ」


狼はぱぁと光に包まれる。辺りの法力が狼を包み、少しずつ狼を人間の男の姿へと変えていった。


ベスティアはリュウの民同様、己の法力で獣になることができる変身能力を持つ寒さに強い種族で、その特徴は獣化の他に怪力が特徴と言う種族だ。


しかし強力な能力のわりに性格は温厚なものが多く戦いを好まないと言う。



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