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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第十六章
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127/167

4


同時刻。

セプティムス山崖下。


そこには壊れた馬車と、馬車から投げ出され、地面の上に横たわる三人の姿があった。


「う……」


ノアは全身に痛みを覚えるものの、目を覚ます。

痛みで動かない身体でノアは視線だけを辺りに這わせた。


(身体が動かない……、ハクさんとコクさんは意識がないようですね……。

ああでも良かった、レイルさんだけでも無事で)


どうにか視線だけをぐるりと動かすと、壊れた馬車の近くに、ハクとコクの姿があった。


意識がないのか、二人が動く気配はない。

途中で手綱が切れてしまったのか、馬達の姿も無かった。


(ハクさんとコクさんは大丈夫でしょうか……。助けないと、でも身体に力が……)


ノアはまぶたが少しずつ重くなる間隔に襲われる。

眠ってはダメだと自身に言い聞かせるも、衰弱した身体は言うことを聞かず、ノアは意識を闇に手放した──。


──


──焚き火が近いのか、パチン、パチンと木が弾ける音がする。

その音に意識を引っ張られ、ノアは目を覚ます。


目をあけて、飛び込んでくるのはどこかの民家の天井。

ではなく、ウサギをくわえた、狼だった。


「きゃぁぁぁぁぁ!い、たっ……~~~っ!」


ノアはあわてて飛び起きるも、崖から落ち、ぼろぼろの身体は痛みに悲鳴をあげ、ノアはうずくまる。


「わ、私は食べてもおいしくありませんよ!」


首からマフラーを引き抜き、瞬時にナイフへと姿を変える。



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