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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第十五章
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116/167

5


フィオ達は勢いに任せた怒涛の斬撃を浴びせかけアケーディアはうずくまるようにしてその斬撃から身を守る。

ノア達もそれに続き、アケーディアの白い体毛に覆われた身体に刃を滑らせていく。


「おうちに帰りなさいですの!」


フィオは一心不乱にハルバードを振り回す。

狙いは定まっておらず、ただめちゃくちゃに振るっているだけだった。


「フィオさん!あまり無茶は!」


ノアはまるで自分を見ているようだった。

使命にかられ、一生懸命前だけをみる。


それでも周りが見えておらず、無茶ばかりする様はまるで自分のようだった。

アケーディアがフィオを嘲笑うかのように吠え、腕を振るって虫のように群がるフィオ達を凪ぎ払った。


「きゃあっ!」


フィオの影武者達はぼふんと煙と共に消える。

残った最後の一人だけは消えずにアケーディアによって吹き飛ばされ、その小さな身体は硬い石畳の地面に叩きつけられる。

綺麗なドレスは泥だらけになり、フィオはすぐには動けずにいた。


「う、う……」


アケーディアはずしんと重い身体をフィオに向ける。

そして、氷に覆われた巨木のような腕をフィオに向けて降り下ろした。


「させん!」


だがハクは一瞬で前に出ると、納刀されたクロガネを一気に引き抜き、その凍りついた腕を斬る。

アケーディアの腕は裂傷だらけになり、小さな吠え声と共に後ろへのけぞった。


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