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広間の奥にはこれまた豪華な玉座があり、そこにフィオと良く似た印象を受ける王冠を被った男性が静かに座っていた。
「おお、フィオを助けてくれた者達か。
話は聞いているぞ。まずは礼を言わせてもらおう。ありがとう、旅の者達よ」
低く通る静かな声。
ノア達は目の前の王らしき人物の前に立つと、膝を折り頭を垂れた。
「もったいなきお言葉にございます。クィーントゥスの王よ」
「うむ、余はフィルガントス・フォーグ・クィーントゥス・アルベローナである。
良ければ名を聞かせては貰えぬだろうか。
旅の者達よ」
ノア達はフィルガントス王にそれぞれ名を告げる。
王は皆の顔を見回した後こっくりと頷いた。
「良き名だ。ノアとやら、そなたに聞きたい事がある。しかしその前に」
王はすっと手をあげる。
それと同時に王の側に控えていた騎士団員や、側近の者はなにも言わずその場から立ち去る。
人払いを済ませ、フィルガントス王はこほんと咳払いを一つ漏らした。
「先日ソフィアールよりとある書簡が届いた。
内容はグレンデルなる人物の事、それからそやつの使役する法獣に注意されたし、それに加えノアなる人物が現れた際にはその者の手助けをせよとのことだ。
これはそなたのことで相違ないな?」
「はい、私にございます」
ルルニアが送った書簡のことだ。
自分を気にかけてくれていたことにノアは心のなかで礼を述べた。




