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フィオはいたずらが成功した小さな子供の様にくすくすと笑ってその様子を楽しんでいた。
「フィオで構いませんの。
フィオは確かに王女様だけど、敬いが欲しい訳ではありませんの」
フィオは先ほどの凛とした様子ではなく幼い少女の顔でそうのべる。
「うぇー、フーちゃん王女様だったの驚きなんだぜ。
どこかのお嬢様かと思ってたんだぜ、王女様なら法具士ってことと、法具の能力も合点がいくんだぜ」
レイルは驚いた様子ではぁと息を漏らして呟いた。
レイルから聞いた話ではフィオの法具はハルバードに変化するブローチで、その能力は自らの影より自分の分身を出現させるもので、いわば影武者だ。
「うふふ、黙っていてごめんなさいですの。
最初に会ったときに言っちゃうと、皆さんきっともっと驚いてたと思いますの」
フィオはくすくすと笑った。
その後はフィオの家、もとい王女を城へ送り届ける為に馬車は大通りを走る。
クィーントゥスは国と言うこともあり広く、赤い屋根が連なり、遠くには大海原も見えた。
馬車は関所からも見えていた大きな城を一目散に目指す。
その城の前までくると、フィオはぴょんと荷台から飛び降りた。
「少し待っていてくださいですの。今門番の者と話して参りますの」
フィオは城の門まで駆けていった。
その背を見送りながらノアは呟く。
「フィオさんがお姫様だなんて驚きですね……」




