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「こ、これは……!」
騎士団員はわなわなと肩を震わせたかと思えば、鎧をがしゃんと鳴らして勢いよく敬礼した。
「フィオーネ・フォン・クィーントゥス・アルベローナ王女ではありませんか!
賊に連れ去られたと国中大騒ぎですよ!」
騎士団員は大きな声で確かにそう言った。その場にいた全員が目をまあるくさせ、フィオだけがくすくすと笑っていた。
「フィオーネ王女がどうしてこのような場に!もしやこの者達が件の賊でしょうか!」
騎士団員はきっと睨む目をノア達に向け、剣に手をかけ今にも噛みついて来そうな猛犬のようだった。
その勢いに圧倒され、その場にいる皆は一斉に勢いよく首を横に振る。
「この者達はわたくしのお友達ですの。もう通ってもよろしいですの?わたくしは早急に王へ会わねばなりませんの」
可愛らしい口調だが、どこか凛とした様子でそう言い放ち、騎士団員は慌てて道をあけ、関所を解放する。
「ありがとうございますの」
その事に満足したのか、フィオは騎士団員ににこりと笑って見せた。
ゆっくりと馬車が関所を通るが、一連のことを聞いていた面々はぽかんと口を開けたままだった。
「ど、どういうことですかフィオさん、いえ、フィオーネ様は王女様でいらしたんですか!?」
関所の重い扉が閉じ、ノアはようやく我に帰った様子で口を開いた。
フィオが王女と言う予想もしなかった展開にあわあわと慌てふためく。




