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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第十三章
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「それで、この娘を連れてきたのか」


御者台でハクが腕をくんでフィオを一瞥する。


あのあと無事に逃げ切り、自分達の馬車へと戻ることができた。

今はレイルとフィオは荷台に乗り、事の経緯を説明していた。


「あそこに残す訳にもいかないし、オイラ一人じゃ全員相手にするなんて無茶だぜ」


「ですがレイルさんもフィオさんも無事でよかったです」


その事が一番気がかりだったノアはほっと息を漏らす。


「はいですの!でも、おうちに帰るのは難しそうですの……」


明るく振る舞っていたフィオが暗い影を落とす。

突然男達に誘拐され、幼い少女が見知らぬ土地で一人というのはさぞ不安だろう。


どうにかしたい。

ノアがそう思うとそれはハクも同じなようで、ハクは口を開いた。


「その事だがフィオとやら、お前が住む場所はどこだ?わたし達が必ず送り届けてやろう」


「ほんとですの!?でもフィオ、あまり外にでないので、クィーントゥスから遠いのか近いのかもわかりませんの……」


クィーントゥス、フィオは確かにそう言った。それは今ノア達の目指している場所だった。


「クィーントゥスなら俺達の目指してる所だ。送ってくぜ」


「ほんとですの!?ありがとうございますの!それでは皆さんよろしくお願いしますの!」


フィオはぺこりと小さな頭を下げる。

ノア達は迷子の少女を馬車にのせ、まだ見ぬクィーントゥスへと馬車を走らせるのだった。





第十三章「迷子の少女」終了



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