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「それで、この娘を連れてきたのか」
御者台でハクが腕をくんでフィオを一瞥する。
あのあと無事に逃げ切り、自分達の馬車へと戻ることができた。
今はレイルとフィオは荷台に乗り、事の経緯を説明していた。
「あそこに残す訳にもいかないし、オイラ一人じゃ全員相手にするなんて無茶だぜ」
「ですがレイルさんもフィオさんも無事でよかったです」
その事が一番気がかりだったノアはほっと息を漏らす。
「はいですの!でも、おうちに帰るのは難しそうですの……」
明るく振る舞っていたフィオが暗い影を落とす。
突然男達に誘拐され、幼い少女が見知らぬ土地で一人というのはさぞ不安だろう。
どうにかしたい。
ノアがそう思うとそれはハクも同じなようで、ハクは口を開いた。
「その事だがフィオとやら、お前が住む場所はどこだ?わたし達が必ず送り届けてやろう」
「ほんとですの!?でもフィオ、あまり外にでないので、クィーントゥスから遠いのか近いのかもわかりませんの……」
クィーントゥス、フィオは確かにそう言った。それは今ノア達の目指している場所だった。
「クィーントゥスなら俺達の目指してる所だ。送ってくぜ」
「ほんとですの!?ありがとうございますの!それでは皆さんよろしくお願いしますの!」
フィオはぺこりと小さな頭を下げる。
ノア達は迷子の少女を馬車にのせ、まだ見ぬクィーントゥスへと馬車を走らせるのだった。
第十三章「迷子の少女」終了




