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「ふふ、あははは!ああ、おかしいですの、フィオってばお兄ちゃんの事、あの人たちの仲間だと思っちゃいましたの!
せっかくフィオを助けてくださった王子様ですのに!」
少女はクスクスと笑い、それほど面白かったのか目尻に薄く涙を浮かべた。
ハルバードをブローチに戻し、少女は居ずまいを正す。
「初めまして、ですの。フィオ・アルベローナと申しますの。
この度は助けてくださり、ありがとうございますの!」
フィオと名乗った少女はミニドレスのスカートを少しだけ広げ、優雅に頭を垂れた。
「えうー?メリア?」
「フィオですの!メリアなんて名前ではございませんの!」
やはり名前を聞いてもどうも頭が認識せず、レイルは頭を過った適当な名前を口にする。
するとフィオはぷんぷんと可愛らしく怒って見せた。
「うー、フーちゃんでいい?オイラ人の名前覚えるのは苦手なんだぜ」
「それでしたら構いませんの!ところで、お兄ちゃんのお名前は……」
そう悠長に話し込んでいると、草木ががさがさと揺れる音がする。
「こっちから声がしたぞ!」
「今度こそ本物か!」
それは先ほどの男達の声だった。
もう分身は捕まえられてしまったようで残りは本物であるこの場にいるフィオをねらってやって来る。
「わばばばば!まずいんだぜ!」
レイルは慌ててウルラを引っ込め、ヘアピンを引き抜き、アルカナロッドを出現させる。
それに乗ると、フィオの手を少し乱暴に掴んだ。
「フーちゃん!ここは撤退だぜ!」
「えっ、法具士ですの!?」
「いーから早く!乗るんだぜ!」
「は、はいですの!」
バタバタと慌ただしくその場を去る。
そうしてレイルはフィオを連れて、ノア達のいる馬車へと戻るのだった。




