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春愁の坂にて ─1945年、あの日のそよかぜ派生作品─  作者: 乃土雨


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明治10年元旦

 1877年、明治10年元旦


 「明けましておめでとうございます」

 クラ、次郎兵衛、マツの3姉弟は自宅の座敷に横並びとなり、祖父母、両親に新年の挨拶を行った。クラはこの年初めて母の振袖を着せてもらい、紅をひいた。


 そのクラの様子を見て

 「クラもよかおごじょ(器量良しの意)んなったなぁ」

 と祖父、父は涙を流した。


 クラもまんざらでもなく、挨拶が終わると立ち上がって袖をひらひらとして見せたり、意味もなくくるっと半回転して見せたりと若干はしゃいでいるように見えた。


 家族が全員揃って雑煮を食べようとした時


 「治左衛門さん、おりゃるや(いますかの意)」

 と玄関から声がした。客人のようだ。

 真っ先に玄関に駆けて出たのはクラだった。晴れ着姿を誰でも良いので見て欲しかったのだ。

 玄関に立っていたのは池田甚之助とその子、藤一郎だった。


 「あ」

 と発しただけでクラは下を向いてしまった。


 晴れ着にはしゃいでいるところを藤一郎に見られ、子供だと思われたのではないかという思いがよぎったからだ。


 「おお、こりゃクラちゃん。良い着物着ちょるが」

 と甚之助がクラに話しかける。


 「あ、クラか。誰かと思ったが」

 と藤一郎も父に続いたが


 「あら池田様。どうぞお上がりください」

 と母のタケが現れたことで、クラは返事をしそびれてしまった。



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