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誰が言ったのそんなこと  作者: 白川 文
夢を見る
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23/25

一番

それからは地獄だった。

何処にいるかも分からないのに。

私は、彼とよく行った場所に足を向けるようになった。


正人は私の一番初めの彼氏だった。

彼は私は三番目だっていってたけど。

だから、この感情をどう対処すればいいのか見当もつかない。

なんで、無性に彼と行った場所なんかに行きたくなったのかも。

なんで、彼が私から一旦離れることを決めたのかも。

なんで、私はそんなことに気づかなかったのかも。

全部全部分からなかった。


会社の人には、彼が出て行った次の日に無断欠勤したことを怒られた。

後輩には凄く心配された。

私はそれに適当に挨拶して。

また、家に帰る。

どうしてかな。

いないって、いない確率の方が高いって。

それくらい分かってるのに。

もしかしたら、今日は帰ってきてるかも。

そんな淡い期待を抱いて。


「ただいまー」

その声は寂しく、部屋に小さく響くだけで。

分かってたのに、落ち込んでる自分がいて。


何処にいるのかな。

何してるのかな。

この部屋にある荷物を取りに戻ってきたよ、なんて突然帰ってきて言ったりするのかな。

この私の空っぽの気持ちを理解してくれないのかな。

これが、現実逃避ばっかりの私の罰だったなら。

青春なんて、本当にロクなものじゃない。


早く帰ってきてよ。

思いっきり抱きしめて、ごめんねって言ってよ。

それだけで許してあげるから。

そんなことないよ、でも待ってたんだからね、そう言ってあげるから。

それで、キスしてよ。

やっぱり、正人がいないとダメだよ。

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