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誰が言ったのそんなこと  作者: 白川 文
文芸同好会
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17/25

ノーと言えない

ーごめん、明日もう一回会いたいなっていうか……>_<


彼からそんな一言だけのLINEが来る。

私の気分とは正反対のポキポキっていう音をiPhoneが鳴らしてた。

どうしようかな。

トーク履歴なんて見てると、本当に辛くなってきちゃって。

あの時は、昨日までは、今日のあの時間までは。

なんて、考えてしまうと無限ループにでも嵌ってしまった気がして。

何やっても、何聴いても。

私の頭は受け付けない。

なのに、こんなトーク履歴なんかがキラキラとしてる思い出に早々と変わっちゃってる事実にどうしようもなくなって。


正人は、なんにも分かってない。

彼の小説を書く横顔がキラキラと輝いて、私にはヒーローのようにカッコよく見えたことも。

言葉が思い浮かばなくって、パソコンの画面をじっと眺めながら前髪を引っ張ってる、彼の仕草にどきりとする私の気持ちも。

私に向ける屈託のない笑顔を私だけに見せて欲しいなんて、一瞬でも思わせる私の恋にも。

ねぇ、なんにも知らないじゃない。

私は、正人から私がどんな風に見えてるのかも知らないんだよ?

こんな思いになるのだって、私のただのエゴだって分かってるけど。

頭の奥が熱を帯びてしまったみたいに、何も考えられないよ。


ーどこに行けばいい?


でもね、ほら。

正人はずるいよ。

私が、こんな状態の私が。

正人からの言葉にノーと言えないに決まってるのに。

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