ロックが聴きたい気分
「ん、そうだね。終わりかなぁ」
あ、と思った。
彼があまりにも気持ちを込めてない、そんな無愛想な言葉。
違うんだ、と。
私は彼の中の私自身について聞いたつもりだった。
でも、彼の言葉を聞いてると。
脈をドクドクと打っていた音が一瞬のうちにぴたりと止まってしまって。
と同時に、どうしようなんて頭に浮かぶ。
私の頭には、彼がえ?なんて言って。
終わりはやだなぁ、なんて言ってくれるって。
私のエゴでしかなかったんだなぁ。
そう思うと。
「そ……だよね。ごめん、帰るね」
こんな風に言うしかないじゃない。
私は急いで鞄の中に、出していたものを片付けると、部屋を出た。
「え、ちょ。待って待って、どうしたの?」
彼は疲れたよ、なんて言ってたくせに。
そんな風にガタガタと席を立つと、私にそういった。
ずるいよ。
ううん、きっと私がずるかったんだ。
小説一緒に形だけでも書いて、もしかしたなんて期待して、勝手に自分でのぼせ上がって。
全部全部、私の勝手だ。
あーあ。
私は駅で電車を待ち、耳にイヤフォンをさしながらそう思った。
こういうことを自爆とか言うんかなぁ。
もう、彼と関わることもほとんどないなぁ。
私はその時、鞄の中に入ってる小さなUSBがそこにあることを確認する。
これが彼の元に行ってしまったら、もう。……もう。
青春なんていいものじゃないよ、私には似合わないよ。
凄く凄く、ロックが聴きたい。
何も考えなくても済むような。
私の脳をぐるぐる回って、彼のことなんて忘れさせてくれるような。
……そんな、都合のいいことないよね。




