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  作者: ゆくえ知らず
安達豪毅

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安達豪毅 4

 俺は、きっと久美子と離れたくないのだ。

 高校受験の時も、担任からは根津高校だって不可能じゃないと言われていたが、「豪毅と一緒の巣鴨北高校に行きたい」と言っていた久美子と離れることを想像すらしなかった。

 そして今は、この四人で一緒にいたい。その世界が壊れることが、そのことに邦雄が直面しなければならないことが、とても恐ろしく感じられてきた。邦雄は耐えられるのだろうか。そして俺は、きちんと久美子に気持ちを伝えることができるんだろうか。


 明日香のピックアップに失敗した翌月曜日、邦雄の予言通り確かに明日香は学校に来た。来るにはきたが、明日香の表情は胸を締め付けられるほど辛そうだった。

 よくこの状態で学校に来たと思う。

 邦雄が言っていた、「本気」というのはよくわかった。

 わかったが、ここまで突き放して明日香の気持ちに委ねなくても、もっと手を差し伸べてあげてもいいのではないかと思った。そんなことを考えていたら、クイズ研究会の部屋で明日香のことが心配で泣いている久美子のことが急に愛おしく思えてきた。釣り合う背丈が欲しいとか、そういうことではなくて、今何かしてやりたくなった。

 だから邦雄が口を開く前に俺は久美子に声をかけてしまった。結果的にはそれが良かったようで、明日香自身の言葉を引き出すことができた。

 明日香が邦雄に声をかけた時、その表情と声は明日香の邦雄に対する感情を物語っていた。久美子はわかっているような表情で明日香を見ていた。どうやら気がついていないのは邦雄だけだった。いや、気がついていない、のではなくて、そのような感情を受け入れることをしないように、心に壁を作っているのかもしれなかった。


 今朝、アダチミートの車で東京駅に乗り付け、邦雄と明日香を降ろすと、俺と一恵姉は二人を見送りながら周りに目を配った。邦雄は「必ず監視が付いているはずだ」と言っていたが、結局それらしい人物は目につかなかった。

 ここからは俺一人で別行動だ。


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