6話
文を書くのは苦手ですが暖かい目で見てもらえるとありがたいです。
「今から作るからねー」
「はい、手伝いとか入りますか?」
「大丈夫、タルナちゃんはしっかり休んでね!」
買い出しを終え、マリーさんの家に戻ってきた。
家に戻ってきてすぐ、マリーさんはキッチンに消えた。
「一階が店で二階が居住スペースなんだ」
マリーさんの家はかなり広く、パッと見た感じ部屋も四つはある。
リビングで座ってマリーさんを待つ。
その間今日起きたことを考える。
街に向かい初めて、その途中ネラさん達を偶然助けた。
そこからトントン拍子で街に着く。
ネラさん達のお陰で、街に入った後も迷うことはなかった。
冒険者ギルドは少し酒臭かったがいい人ばかりだ。
ガルゾさんは少し怖かったけど、面倒見のいい人だ。
そしてマリーさん。早くも会えた同族のお姉さん。
とても落ち着いていて、頼りになる。
どっかの女神様と違ってしっかりしている。
いや、女神様には感謝しているんだよ?
けど、女神様のミスに何度も巻き込まれている身としては心象も悪くなるだろう。
食品店のおっちゃんもいい人だった。
結構フランクに接してくれて、ありがたかった。
今度は一人で行くのもありだな。
そんなことを考えているとマリーさんが料理を持って戻ってくる。
「お待たせ! 夕飯できたよ!」
「ありがとうございます。美味しそうですね!」
マリーさんが作った料理はじゃがいもと玉ねぎの餡掛けと、人参と胡瓜の野菜スティックだ。
小皿にドレッシングが用意されている。
「パンもあるからたくさん食べてね!」
机にはいつの間にか、白のふわふわのパンが置かれていた。
「いただきます!」
「はい、召し上がれ!」
まずはじゃがいもと玉ねぎの餡掛けを食べる。
「うん、美味しいです!」
玉ねぎやじゃがいもの甘みに少しピリ辛な餡が絡んで美味しかった。
「そう、良かったわ! こっちも食べてみて!」
そう渡されたのは胡瓜の野菜スティックだ。
すでにドレッシングがディップされていて、口に運ぶと、
「このドレッシング、美味しいです!」
「美味しいでしょ? これは私が作ったのよ」
店でおっちゃんと話していたあれか!
マリーさんは料理上手なんだな。理想の姉な気がしてきた。
「って、なんで自然に姉であることを認めていたんだ!?」
「何言ってるの、私はお姉さんだよ?」
キョトンとした顔で姉を自称するマリーさんに少し頭が痛くなってくる。
会話を重ねぬがら夕飯を食べ、お風呂に入ることになった。
「へぇー、シャワーは魔力を使っているのか!」
電力なんてこの世界には無いだろうから当然だろう。
ちなみにこの世界にきて初めてのお風呂だ。
森では水浴びが限界だったからな。
一五〇年ぶりのお風呂にテンションが上がる。
「はぁ〜、気持ちいぃ〜」
四〇度前後のお湯が体に心地よい。
しばらくシャワーのお湯に浸っていると、背後で声がする。
「お風呂はどうかしら?」
「マ、マリーさん!? どうしたんですか!?」
急な声掛けに声が裏返る。
「タルナちゃん焦りすぎよ。ただ一緒に入るだけだから!」
「何言ってるの!?」
本当に何を言ってるんだこのドリアードは。
「問題ないわよ。だってタルナちゃんも女の子じゃない」
そうだった。僕はいま女の子なのだ。
女神様、流石に恨みますよ・・・・・・。
女神様に対して抗議の念を飛ばしておく。
「入るわよー」
念を飛ばすのに必死になっていたのがいけなかった。
入ると言う言葉に反応するのが遅れてしまう。
ガチャ、と扉を開ける音と共にマリーさんが入ってきてしまう。
「あら、なんで真っ赤なの?」
マリーさんはタオルすら巻いていなくて、扇情的な身体が露になる。
綺麗な形の双丘や綺麗な生脚なんかを惜しげも無く晒している。
「タ、タオルを巻いてください!!」
「なんでよー!」
いいじゃない、とクネクネするマリーさん。
男のつもりの僕には刺激が強すぎる。
「恥ずかしいの! 僕もタオルまくから!」
無理やりタオルを手渡し、僕もタオルを巻く。
「えー・・・・・・」
マリーさんは渋々タオルを巻く。
全く、気をつけて欲しいものだ。
「タルナちゃんは身体洗った? まだなら私が洗ってあげる」
有無を言わさぬ圧力に負けて椅子に座る僕。
背後にはタオルを巻いているとはいえマリーさんが裸でいる。
緊張しない方がおかしいと思う。
「それじゃあ、洗うわね」
そういい、僕の背中にタオルがあてがわれる。
ゴシゴシとタオルが背中を擦る。
「可愛いわぁ、お人形さんみたい!」
マリーさんの楽しそうな声が聞こえる。
身体の隅々まで洗って貰い、二人で湯船に浸かる。
「はぁ、いい湯ですね」
「本当にねー」
マリーさんは今までのホワホワした雰囲気を消し真面目なトーンで語り出す。
今は黙って聞くことが正解だろう。
「私ね、他の精霊に友達なんていなかったの」
意外だった。明るい性格だから、友人は多いのかと思った。
「同じドリアードですら、『お前みたいな変人なんか仲間じゃない』って」
「変人?」
思わず気になって聞いてしまった。
しまった、と思っていたら笑いながら答えてくれた。
「私は精霊と人間は共存できるって思っているの。おかしいよね。仲間は皆人間は敵だって言っている中人間と共存できる、なんて言っているんだから」
「・・・・・・」
「私は、この街で店を開いて様々な人達と会話をして・・・・・・。皆と一緒に人間と敵対だなんて思えなかった」
マリーさんの声が震え出す。
「わ、私は人間が大好き。中には愚かな人もいるけど、全てがそうとは思えない。でも、仲間は分かってくれなくて・・・・・・」
声の震えが嗚咽に変わっていく。
泣いているんだ。マリーさんは仲間からしたら異質な存在。
ずっと下げずまれて生きてきた。
人は精霊ではない。
精霊のマリーさんの真の理解者なんて居ないだろう。
僕はマリーさんを抱きしめる。
「えっ?」
「僕も人間と精霊は共存できる。そう思います」
マリーさんの頭を撫でながら言葉を紡ぐ。
「マリーさんの考えは何一つ異端なんかじゃありません。この星にいけとし生きる者全てが共存できる、そう思うことは間違ってなんかいない。むしろ素敵な考えだと思います」
それに、
「他のドリアード達や精霊があなたを否定しても、僕が肯定します。このハイドリアードクイーンが認めます。誰にも文句なんか言わせません」
「私の考え、本当に間違ってないの?」
恐る恐る、僕に聞くマリーさん。僕の答えはもう決まっている。
「間違ってません。マリー姉さんは妹が嘘をついていると?」
「タルナちゃん・・・・・・!!」
マリーさんは僕を抱きしめながら泣いた。
今までの理想がやっと認められたんだ。
それはもう泣いた。
そして、一〇数分後・・・・・・。
「ごめんね、恥ずかしい所見せちゃって」
目をパンパンに腫らしたマリーさんが恥ずかしそうに謝罪する。
「いえ、むしろ貴重なところが見れてよかったですよ」
マリーさんは恥ずかしそうに俯く。
「今日はもう遅いから寝ましょうか」
「うん・・・・・・」
僕の部屋として与えられた部屋で横になる。
「マリーさんも悩んでたんだな・・・・・・」
これからは僕がマリーさんを支えていきたい。
そう思える。とりあえず、
「お休み、マリーさん」
見ていただきありがとうございます。面白いとおもったらまた見てもらえると嬉しいです




