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天使のフットボール  作者: リリー
35/39

35、持つべきもの

リーグ戦も終盤に差し掛かっていた。

一枚岩となった浅草エンジェルスは第16節を終了した時点で14勝2敗。

15勝1敗で首位をひた走る東京エリーザを星一つの差で追っていた!


エンジェルスの14連勝という怒涛の快進撃に俺は酔いしれ仕事っぷりにも影響を見せた。

トークは冴える!

酒も入る!

気分は上々だ!

そんなこんなでまた週末がやってきた!!

試合を見れるワクワク感が半端ない。


今日は神戸でのアウェイゲーム。

俺は朝から新幹線に飛び乗り神戸へと向かった!

今年も本当によく旅をしたものだ…

関東はもとより北海道・大阪・広島・福岡・愛知などにも行ったものだ。

行く先々の名物を食べ、城・寺社仏閣・景勝地なども観光し

女子サッカーを見るまではひとりで遠出などしたこともなかったこの俺が自分でも驚くほどの旅行通になっていた。

もう一生分、旅をしたって感じだ…


そんな遠征の日も今年は今日でラスト。

来週の最終戦は東京だ!

新幹線の中でそんなことを考えていたらあっという間に神戸へと到着した。

神戸は初めての土地だったので新鮮だった!

俺は神戸牛のステーキをを食べ中華街で小籠包を買いスタジアムへ行った。


選手達がピッチではしゃいでいた。

エンジェルスのムードは最高潮のように見えた!

楽しそうにサッカーをしている選手を見ているとこっちまで楽しくなる。


優勝候補の一角に挙げられながら今シーズン、いまいち調子の上がらない神戸クイーンズ。

神戸の選手はどんより曇っているようにも見えた。


結果は3対0で勝利!


よし!神戸まで来た甲斐があった!!

そう思いながら座席を立ち上がると…

何やら浅草のサポーターが大騒ぎをしている・・・

その中心にいるのは長老だ!


「長老、どうしたんですか?」

「エリーザが負けた・・・」

「え?」

時を同じくして八神が数人の選手を引き連れてやってきた。

「長老~大騒ぎしちゃって。どうしたの?」

「エリーザが負けたんだよ…」

「うそー!相手は最下位の福岡でしょ?」

「お前たちのために最後の最後に本郷ねえさんが決めてくれたんだよ!」

「本郷さんが・・・」

「やりましたね!長老!!」

「なんてこったい!なっ!兄ちゃん。これがサッカーなんだよ!!これが!」

「次のエリーザ戦に勝てば優勝ですね。」

号泣する長老にそっと手を差し出しガッチリ握手をした。


負けないはずのエリーザが負けた!

本郷ねえさんのゴールに選手もサポーターも大興奮だった!!


俺は帰りの新幹線の中でも長老の号泣が忘れられなかった。

(よっぽど嬉しかったんだろうな)

そんなことを思いながらネットのサッカーニュースをチェックした。

早速、本郷ねえさんのコメントが掲載されていた!


本郷恵美!妹たちへの援護射撃!!


私は数年前に浅草を離れましたが年の離れた妹たちが気掛かりでした。

当時、20歳そこそこのメンバーをほったらかしにし

自分勝手な行動で福岡に移籍し本当に申し訳なかったと思ってます。

負けてばかりだったあの子たちが昨年から見違えるような強さを発揮してくれて本当に嬉しかったです。

今日のゴールは私からのプレゼント!援護射撃です!



俺はこの記事を見てグッと涙が込み上げてきた。

長老の涙がうつちまったか…

それにしても感動させてくれるスポーツだな。


血も涙もなかった俺様を泣かせるなんて・・・

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