第3章 第三十二話:埼玉高速鉄道と鳩ケ谷氷川神社
川口神社での御朱印を頂いた三人は次の目的地を目指すことにする。
「さとしさん、これからまた来た道を戻る感じですか?」
美波が尋ねる。
「いいや、今度は『埼玉高速鉄道線』の『川口元郷駅』に向かうよ」
さとしはそう言うと、来た道とは反対方向へと歩き出したのであった。
川口神社の鳥居を出て東方向にあたる左へ進んでいく三人。そのまま進んで行くと、突き当たりで大きな通り(岩槻街道 / 国道122号)にぶつかった。そこ左に曲がり、岩槻街道に沿ってそのまま北へまっすぐ進んで行く。「芝川」の手前にある「本町1丁目」交差点を右に曲がり、少し進むと「川口元郷駅」の出入口が見えてきた。川口神社から約13〜14分の距離であった。
「『川口元郷駅』に到着しましたよ」
そう言うとさとしは、改札を抜け、ホームへと降りて行った。
「今度は鳩ケ谷駅まで向かいますので、1番線に来た電車に乗りましょう」
そう二人に声をかけた。
ちなみに埼玉高速鉄道線は、東京都北区の『赤羽岩淵駅』から埼玉県さいたま市緑区の『浦和美園駅』を結ぶ、全長14.6kmの鉄道路線である。大半が地下区間(新井宿駅〜浦和美園駅の一部のみ地上)であるため、台風や大雪などの悪天候でも遅延や運休が非常に少ない、タフな路線として信頼されている。
「ちなみにこの鉄道はこの間少し話した『浦和レッズ』の本拠地である『埼玉スタジアム2002』がある浦和美園駅までつながっているんですよ」
「さいたま市の二つあるサッカーチームの一つですよね」
美波が答えた。
「ちなみに美波はサッカーは見たりするのかい?」
「うーん……。ワールドカップ関連の試合とかならたまにって感じですね」
「それなら俺と同じだね。俺もその時だけにわかサッカーファンになるから」
そう言って笑うのであった。
そんな話をしていると1番ホームに電車が入ってきた。
電車に乗り込んだ三人は、4分ほど電車に揺られ、二駅先にある鳩ケ谷駅で降車した。
鳩ケ谷駅の1番出口を出た三人は、出口の目の前にあるマクドナルドを左手に見ながら、通り(県道105号・旧日光御成街道)を北(左方向)に向かって進んでいった。すぐに『見沼代水路』に架かる小さな『御成橋』を渡って、そのまま3分ほど直進すると左手に今度の目的地である『鳩ヶ谷氷川神社』の鳥居が見えてきた。
「ここが今度の目的地である『鳩ケ谷氷川神社』です。ちなみにここの御祭神も『素戔嗚尊』と『櫛稲田姫命』の2柱なんだよ」
これに美波がすぐさま反応する。
「ということはここも良縁祈願の神社なんですね!」
「そうだね。この祭神は『結びの神』とも呼ばれていて、人と人、人と仕事などにおいて人生を良い方向へ導く縁を授けてくれると言われているんだよ」
それを聞いた美鈴が口を開く。
「それなら私たちにとってのさとしさんのような存在なのかもしれないわね」
「いやいやいやいや、俺なんて何にもしていないし、神様と同じように言ってもらうなんて申し訳ないですよ」
そう言って慌てて謙遜するさとしであった。
それに対して美波が答える。
「そんなことないですよ。私の傷ついた心を癒してくれたり、今回は職業体験までさせてくれて本当に感謝してるんですからね!」
美波の言葉に美鈴が続く。
「そうですよ。私たち親子にさとしさんがしてくれたことはとても大きんですから、もっと自分に自信を持ってくださいね」
そして、美鈴は少し溜めを作ってからさとしに言った。
「それにさとしさんはこれからずっと私達と一緒にいて、私たち親子を幸せにしてくれるんでしょ……」
そう言ってさとしに微笑みかける美鈴。
「そうだよ。さっき川口神社で言質はしっかりとったんだからよろしくお願いしますね、『さとし神様』」
美波はそう言って心底楽しそうに笑っていた。
その後、三人はお参りを済ませると社務所にて御朱印を頂いた。
ここの御朱印には2匹の鳩と、左下には二匹の猫がしっぽでハートマークを作っている印が押されていた。
「ここの御朱印、とっても可愛くて素敵です!特にこの二匹の猫ちゃんがいいです!」
美波が興奮気味に言った。
「でも、ここの神社は八幡宮ではないのに鳩が使われているんですね。それにネコを使っているのも初めて見たわ」
美鈴が頂いた御朱印を見ながら言った。
「それはここの地名が鳩ケ谷であることと、鳩が『縁結び・夫婦円満』の象徴だからでしょうね。後、ネコに関しては、かつて鳩ヶ谷は、徳川将軍家が日光へと向かう『日光御成道』の宿場町として発展したので、日光東照宮の有名な彫刻「眠り猫」にあやかってとされていますね。他にも、神社に長年住み着いている可愛い神社猫がいて、参拝者や神職の方々にとても愛されているそうです。そんな理由から、猫たちへの愛情も込めて、2016年から御朱印に猫のデザインが加えられたそうですよ」
これを聞いた美波の目が輝いた。
「ということは、ここにその神社ネコがいるってことですよね!どこにいるのかな?出ておいでー」
「ここの神社ネコの名前は『ココア』ちゃんと言って、ふさふさとした長い毛並みで、胸元の白いワンポイントがおしゃれな、品のある見た目をしているそうだよ」
辺りを見回すと、境内にある御神木である『夫婦楠』の下でじっとしているココアちゃんを発見した。
今過ぎにも走っていきそうな美波にさとしが注意をする。
「美波、ココアちゃんはもうおばあちゃん猫だから、触ったりしてあまり興奮させたりしないようにね」
美波は体をうずうずさせながら、少し離れた場所からおとなしくココアちゃんの写真を撮っていた。
「ちなみに今ココアちゃんがいる御神木『夫婦楠』は2本の幹が寄り添うように並んでいることから、縁結びのパワースポットとして知られているんだよ」
「可愛いココアちゃんに縁結びのパワースポット!そんなの最強コンボじゃないですか」
そう言って美波はさとしと美鈴を連れて夫婦楠のそばに行き、手で触れてから拝むのであった。
そんな仲良さそうな三人をココアちゃんが穏やかな表情で眺めていた。
第3章第32話をお読みいただきありがとうございます。
今回は埼玉速鉄道と鳩ケ谷氷川神社について書かせていただきました。
正直に言うとどちらも行ったことがありません。
なので今回はネットと神社の情報誌から抜粋した情報から書き上げています。
なので訪れる際には再度ご自分で調べてから行かれることをお勧めします。
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