第3章 第二十八話:埼玉三大銘菓最後の一つ『五家宝』
浦和駅まで戻ってきた三人。
「次の場所へ移動する前に、少し寄りたい場所があるんですけどいいですか?」
二人が「いいですよ」というのを確認して連れてきたのは、浦和駅西口を出てすぐにある『伊勢丹百貨店 浦和店』であった。
さとしは二人を連れて地下の食品フロアへと移動した。地下の食品フロアの一角には全国の銘菓が集められているコーナーがあり、そこがさとしの目的地であった。
その一角にある『埼玉彩発見コーナー』にやってきたさとしは、そこに置いてあった『紅葉屋本店』の『五家宝』というお菓子を手に取っていた。
「私、昔からこの『五家宝』が好きなんですよ。なので二人にも是非食べてもらいたいと思って」
「そうなんですね。ちなみにこのお菓子はどんなお菓子なんですか?」
美鈴が尋ねた。
「五家宝は、草加煎餅、川越の芋菓子と並ぶ『埼玉三大銘菓』の一つとされる、江戸時代から続く伝統的な和菓子なんです」
「有名なお菓子なんですね。味はどうなんですか?」
「味はおいしいよ。原材料はもち米、きな粉、水飴、砂糖のみで作られているんだけど、サクサクとした軽い歯ごたえの芯を、しっとりした皮で巻き、たっぷりのきな粉をまぶしてあるんだ。水あめの甘さとこの独特の噛み応えが癖になるんだよね」
「なんか聞いているだけでよだれが溢れてきちゃいそうですよ」
「ホントね。今すぐ食べてしまいたいぐらいだわ」
そう言うと二人はそろって唾を飲み込んだのであった。
「今夜食べる分とは別に、持って帰ってもらう分も買っておくから気に入ったら言ってください。そしたら送りますから」
さとしはそう言って笑うのであった。
「それにこの間食べてもらった『十万石ふくさや』の『十万石饅頭』や、『彩果の宝石』なんかも浦和で買えますからいつでも言って下さいね」
「そんなこと言ったら、どっちも買って帰りたくなっちゃうじゃないですか……」
「そうだよね、お母さん。どっちもおいしかったもんね」
そう言って悩みだす二人。
「なら明日帰る前に、大宮駅か浦和駅で降りて再度お土産を見ましょうか?今買ってしまうと荷物になってしまいますしね」
「いいんですか?大変じゃないですか?」
さとしに迷惑になることを心配する美鈴であった。
「平気ですよ。明日の新幹線は午後の便ですよね?それなら十分時間もありますし」
「それじゃ申し訳ないけどお願いします」
こうして明日お土産を買うことが決まったのであった。
ここで美波が口を開く。
「はぁ、明日にはもう広島に帰るんだね。また当分さとしさんに会えなくなると思うと寂しいな……」
「そうね。本当に楽しい旅行だったからあっという間だったわね……」
しんみりとする二人にさとしが声をかけた。
「まだ今日は終わりじゃないんですから、しんみりしてる場合じゃないですよ」
そう言って二人の背中を押し、次なる目的地へと向かうのであった。
第3章第28話をお読みいただきありがとうございます。
今回は埼玉のお土産に関するお話でした。
作中にもい書きましたが、私『五家宝』が本当に好きで、これを書きながら食べたくなってしましました(笑)
今度大宮に行った際に買ってこようと思います。
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