第3章 第二十七話:本太氷川神社
浦和駅まで戻ってきた三人は、先ほどとは逆の東口側のロータリーへとやって来ていた。
「今度は先ほどと逆の東口方面にある神社へ向かいますね」
三人はロータリーを越え、パルコの左側の道をまっすぐ進んで行き、『日の出通り』までやって来ると、左折して進むとすぐにある『東口駅前通り交差点』を右(東方向、本太・前地方面)へ曲がって歩いていく。商店や住宅が並ぶ緩やかな坂道をまっすぐ進んで行くと、『本太坂下』の交差点にぶつかり、そのまま直進すると、左手に木々に囲まれた『本太氷川神社』の鳥居が見えてきた。
ちなみに、本太氷川神社はさいたま市浦和区本太にある、約1500年前の創建と伝えられる歴史ある神社である。御祭神は『素戔嗚尊』である。地元では『本太氷川神社』として親しまれているが、鳥居の扁額には「元府趾」と表記されており、かつてこの地に国府の出先機関があったとされている。
「ここが今度の目的地である本太氷川神社になります。ちなみにここには『室町鳥居』『明治鳥居』『昭和鳥居』と、作られた時代の異なる3つの鳥居があるんだよ」
「3つも鳥居が作られたんですね。この鳥居は何鳥居なんですか?」
「これは東参道につながる 『昭和鳥居』だね。ちなみにここの鳥居の通り方には決まりがあって、最初に東側にある鉄製の赤大鳥居である『昭和鳥居』を通って境内に入り、その次に 拝殿のすぐ正面にある屋根付きの『両部鳥居室町鳥居』をくぐって、一旦戻るんだ。そして、最後に南側の石鳥居である『明治鳥居』をくぐり直してから、改めて拝殿へ向かうんだよ」
「なんだか大変そうですけど、そうすると何かいいことがあるんですか?」
美波がさとしに尋ねた。
「ちゃんと順番通りにくぐってからお参りすると、開運や招福のパワーがいただけると言われているんだよ」
三人はさとしの言ったとおりの順番で鳥居をくぐり、拝殿へとやってきたのであった。
三人はいつも通りの礼法でお参りを済ませ、社務所にて御朱印を頂いた。
ここでさとしは二人に向かって声をかけた。
「ここにはもう二人ほど挨拶をしておかないといけない神様がいるので、今からそちらに向かいましょう」
そう言うとさとしは拝殿の左奥にある旧本殿の方へ向かって歩き出した。その旧本殿の手前に、約170kgの『力石』と並んで、お目当ての大黒様と恵比寿様の石像が並んで鎮座していた。
「この大黒様と恵比寿様の石像なんですが、他の神社の物とちょっと違うと思いませんか?」
二人は真剣に2体の石像を見つめていた。
ここで美鈴が違和感に気が付く。
「そういえばこの2体は正面でなく、上を向いているんですね」
「そうなんですよ。実はこの二体は他の神社で見ることのできない、笑いながら上を向いている石像なんです。ちなみに、この石像の名前は『上向き福徳神』と言うんですよ」
「まさに『笑う門には福来る』ですね」
美波がそう言うと、2体の神様のように楽しそうに笑う3人であった。
三人は境内を一通り見て歩いたのち、再び浦和駅へ向かって歩き出したのであった。
第3章第27話をお読みいただきありがとうございます。
今回は本太氷川神社での内容を書かせて頂いました。
実は私はまだこの神社に行ったことがないのです。ですので、もう少し暑さが落ち着いたら一度行ってみようと思います。ちなみに浦和もウナギが有名な街なので、お参り後に食べようと画策中です(笑)




