第3章 第二十話:川越散策(クレアモール商店街)
川越八幡を後にした三人は駅前から続くにぎやかな商店街を歩いていた。
この商店街は『クレアモール』という名前の商店街である。川越駅東口から大正浪漫夢通りへと続いている。この商店街は地元住民の生活に密着した利便性と、観光エリアへ向かうルートとしての役割を併せ持っており、テレビ番組では「埼玉の竹下通り」と称されるほど人通りが多い。
「とても人通りの多い商店街なんですね。瀬戸田の商店街とはだいぶ違いますね」
美波が10年ぶりにさとしと再会した広島県尾道市の瀬戸田にある商店街と比較し、クレアモールの賑やかさに驚いていた。
「ここは埼玉にある商店街の中でも屈指の人気スポットだからね。地元の人たちだけでなく観光客も『大正浪漫夢通り』までの道として使っているみたいだしね」
美鈴が商店街を見まわしていた。
「こういう活気にあふれた商店街ってなんだかいいですね。いるだけでワクワクしちゃいます」
そう言う美鈴にさとしも同意する。
「なんかわかる気がします。私は以前商店街を歩くことが好きな時があって、板橋の商店街や戸越銀座商店街なんかに行ったことがありますよ」
「それにここは車も通ってないし、自由に歩けるのもいいですよね」
美波が左右に歩きながらさとしに話した。
「ここは昼間の時間は歩行者天国になってるからね。ちなみにこの商店街は約1㎞あるんだよ」
「そうなんですね。何件ぐらいお店があるんですか?」
「約200店舗あるって聞いたことがあるよ」
それを聞いた美鈴が驚いた顔をする。
「そんな沢山のお店が集まっているのね。三原の駅のそばにもこういう商店街が欲しくなっちゃうわね」
そんな話をしながら歩く一行。
ここでさとしが二人に提案する。
「商店街にせっかく来たんですし、どうせなら商店街の正しい歩き方として『食べ歩き』をしてみませんか?」
「さとしさん、素敵です!」
そう言って目を輝かせる美波。
「……実は私もそう思っていたんですよね」
そう言って少し恥ずかしそうにする美鈴であった。
「では、まずは食べ歩きの定番の一つ『たい焼き』なんてどうですか?」
「おやつに最適ね!早速買いに行きましょ!」
「さとしさん、善(膳)は急げです!」
「美波が言うと『善』の字が『御膳』とかの『膳』の字に聞こえるよ」
そう言ってさとしは苦笑いするのであった。
乗り気の二人がさとしを促し、たい焼き屋さんを目指す。
ーーー
商店街に一角にあるたい焼き屋さんへとやってきた三人。
やってきたのは天然たい焼きが売りの『鳴門鯛焼本舗』であった。
「ここのお店は全国にあるみたいなんですけど、一番の売りは何といっても天然たい焼きであることです」
美波が首を傾げる。
「そもそも鯛焼きに天然とか養殖とかってあるんですか?」
美波の質問にさとしが人差し指を左右に振りながら答えた。
「美波君、わかっていないようだね、説明してあげよう!まず天然と養殖の違いは、天然が1匹ずつ焼くのに対し、養殖は複数匹を一気に焼くことだね」
「そうなんですね。でも、それで味とかかわるんですか?」
「ふっふっふ。それが変わるのだよ!天然の鯛焼きは、養殖が中火でゆっくり焼き上げていくのに対し、強火に一気に焼き上げることによって、薄皮でパリパリで香ばしい焦げ目ができるんだよ。そして何よりも熟練の職人技が必要となる一品なんだ!」
その説明を聞いた二人は目の前で焼かれる自分たちの鯛焼きを見ながら何度も唾を飲み込んでいたのだった。
そして、その手に念願の鯛焼きが渡される。
「「「いただきます」」」
三人仲良くいただきますをしてから食べ始める。
一口目にかんだ際にパリッという食感が口の中に広がるのであった。
「おいしいです。あんこも隅までしっかり詰まってて最高です!」
「ホントにしっぽの方までしっかりあんこが詰まってるわ。なんて幸せなのかしら……」
二人とも鯛焼きを尻尾からかじりながら幸せの味をかみしめていた。
美味しい天然もののたい焼きを食べて、川越散策の後半へ向けての英気を養った三人であった。
第3章第20話をお読みいただきありがとうございます。
今回は川越駅から続くクレアモール商店街について書いてみました。
私も実際に歩いたときに高校生からお年寄りまでとてもたくさんの人が歩いており、大変賑やかな商店街になんだか楽しくなってしまったのを覚えています。
読者様の地元のおすすめ商店街がありましたら是非教えてください。
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