第七話:今後の日程【加筆&修正】(26年6月17日)
レモンケーキを食べ終わり、紅茶を飲んで落ち着いていると、不意に美波がさとしに質問をした。
その美波の手にはすでに2つ目のレモンケーキが握られていた。
「さとしさんは明日からどうするんですか?」
「明日は広島に移動してから、レンタカーを借りて宮島に行こうと思ってるよ。神社の御朱印を集めるのが僕の趣味の一つだからね」
「宮島!いいなぁー。私も七五三で一度連れて行ってもらったんですけど、小っちゃかったからあんまり覚えてなくて……」
ここで美鈴が提案をする。美鈴の手には3個目のレモンケーキが握られている。
「それなら美波も一緒に行ってきたらいいじゃない。さとしさんが良かったらだけど」
「僕は別に構わないですよ。ただ明日は広島市内にホテルをとっているのでこっちまで戻る予定がないんですよね」
「なら私もさとしさんと同じホテルに泊まるわ!いいでしょ?お母さん」
「もうこの子ったら……。でもGWだし部屋が取れないんじゃないかしら」
思案顔の美鈴。
「もし信用してもらえるなら、自分はグランドプリンスホテル広島に泊まるんですけど、部屋がツインしか空いてなくて、そこをシングルユースする予定なんですよ。だからそこを本来の2人で利用することにすれば問題ないかと」
さとしが提案した。
「さとしさんなら信用できるし、美波はそうさせてもらう?」
「ぜひお願いします」即答する美波であった。
(これって一緒の部屋にお泊りするってことよね!これは愛を深める大チャンスなのでは……)
こうして明日から始まる一泊二日の神社の御朱印集め旅、そこへの美波の緊急参戦が決定した。
「ちなみにさとしさんは帰りの日にちは決まってるの?」
「一応明後日に帰ろうかと思ってはいますよ。仕事自体はGW明けからなので特に慌ててはいないんですけどね」
「慌てる旅でないのなら、明後日はまたうちに泊まっていけばいいわ」
「なんだか申し訳ないなぁ」
「夫は最近、愛人のところに行ったっきり戻っても来ないし、返ってきてもろくに口もきかないのよ。だから、さとしさんと今日は沢山話せてとても楽しかったわ」
そう言いながら流し目を送ってくる美鈴であった。
「だからさとしさんを誘惑しないでよ!さとしさんは私のさとしさんなんだから!」
(愛人って……。これはやっぱり触れないでおこう。藪蛇になりかねないからな)
「なら明日から美波さんをお預かりさせてもらいますね。美波もよろしくね」
「うん、たくさん思いで作ろうね、さとしさん!」
「ちなみに何か希望はあるかい?」
美波に尋ねるさとし。
「私、海に出てる鳥居のところで写真が撮りたいかな!」
「それはいいな。絶対取らないといけないね」と同意した。
「それじゃ忘れ物ないように今日中に旅行の準備しておきなね」
保護者目線での忠告をするさとしであった。
「それじゃ私はこれから準備してくるね」
そう言って美波は自分の部屋へと戻っていった。
美波が去った室内に残った二人。
ソファーに座るさとしにほろ酔いの美鈴が横に座り寄りかかってきた。
「ちょ、ちょっとダメですってば。美波ちゃんがいつ戻ってくるかわからないのに」
美鈴の肩をもって引きはがすさとし。
すると美鈴は満面の笑みになる。
「合格でーす!すぐに私の誘惑に乗っちゃうようなら美波と一緒の部屋でのお泊りはダメって言おうと思ったけど、さとしさんなら大丈夫そうね。」
「もう、びっくりするじゃないですか」
「ごめんね。あ、でも、もし今夜寂しくなったら私の部屋に来てもいいからね」
美鈴はそう言いながら、さとしの胸を指でつついて、楽しそうに笑っていた。
「そうだ、お詫びに明日からの旅行で使う車だけど、よかったらうちの車使っていいわよ。ちゃんと誰でも保険が下りるようにしてあるし」
「でもそうしたら美鈴さんが困りませんか?」
「もう一台軽自動車があるから平気よ。私はもっぱらそっちしか運転しないしね」
「ならお言葉に甘えてお借りしますね。」
こうして旅行で使う車も決まり、明日からの二人旅がより現実味を増してきた。
さとしと美波の旅がどのような波乱を呼ぶのか今はまだだれにもわからない。
食いしん坊たちの御朱印集め紀行をお読みいただきありがとうございます。
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次の投稿時期は基本的に未定です。この作品はメインの「幼馴染の境界線」の投稿の合間に作成していきますので、ランダムな投稿になると思います。




