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42歳治療院経営者と18歳食いしん坊JKが送る、御朱印集め&ご当地グルメ紀行 ~美人親子に迫られるなんてあるわけない!天然の俺は気が付かない~  作者: サッサン
第3章:ようこそ埼玉県へ

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第3章 第十六話:川越散策(川越のうな重)

時の鐘を後にした三人は、さとしの案内のもと、お昼ご飯を食べるお店へと向かって歩いていた。

その時、さとしの横を歩いていた美波が尋ねる。


「さとしさん、お昼ご飯のお店が何のお店なのか教えてくださいよ」


「そうだね。ならヒントを上げよう。今から食べに行くのはお魚で、川や湖などの淡水で育ち、海に下って産卵する『降河回遊魚こうかかいゆうぎょ』だよ。日本で食べられているものはグアム島に近いマリアナ諸島付近の深海で生まれたものだと言われているね」


この説明で美鈴は今から食べるものがわかったようだった。


「今から食べるのはアレだったのね。私アレが大好きなの。だから嬉しいわ」


「お母さんはもうわかっちゃったの。そんな遠くからきているお魚ってなんだろ……。さとしさん、も一つヒント頂戴!」


潤んだ瞳でさとしを見る美波。


「仕方ないなぁ。なら、次のヒントは、日本ではよく『どよう』に食べる人が増えるかな」


「『土曜』に食べるの?ってことはお休みの日に食べる人が多いってこと?」


土曜の意味を勘違いする美波に、美鈴が助け船を出した。


「『どよう』はどようでも、その『土曜』ではないわね。ちなみにうちでも『土用の』日に食べたりしてたわよ」


美鈴のヒントに考え込む美波。


「土曜日でないどよう……。どよう、どよう、どようのひ……。うん?なんか聞いたことがあるような……。わかった!『土用の丑の日』だ!」


「お、とうとう正解にたどり着いたみたいだね。じゃぁ。その答えは?」


自身に満ち溢れた顔をして答える美波。


「ウナギだぁ!」


「大正解!そう、これから食べに行くのは『うな重』だよ。ちなみに、川越のうな重は、江戸時代から続く伝統の味を守る関東風(江戸前)のふっくらとした仕上がりが特徴なんだよ」


その説明を聞いて目を輝かせ、つばきを飲み込む二人であった。


ーーー


時の鐘から歩くこと5分。三人は目的のお店へとやって来ていた。

今回さとしが選んだお店は、1807年創業の川越で最も古い歴史を持つ超有名店であった。大正初期の木造3階建ての店舗で、200年以上受け継がれた秘伝のタレで焼く極上のうな重を堪能できると人気のお店である。


「このお店ですよ。早速入りましょう」


さとしは事前に席の予約をしており、スムーズに席へと案内してもらうことが出来た。


「三人とも同じウナギの上重でいいかな?それとも特重にするかい?」


「お昼ですし上重でお願いします」


(この言い方だと夜だったら特重にするつもりだったのかな?)


さとしは上重を三つ注文する。

美波がふと浮かんだ疑問を聞いてきた。


「さとしさん、さっき川越は関東風のウナギって言ってましたけど、関西の物とは違ってるんですか?」


「ああ、そうだよ。もちろん美鈴さんは知っているんだろうけど、関東と関西のウナギの一番大きな違いは、関東が『ふっくらフワフワ』であるのに対し、関西は『香ばしくパリッとジューシー』である点かな。これは調理の過程で関東が蒸してから焼くのに対して、関西は蒸さずに生のウナギにたれをつけて焼くことによる違いだね。ほかにも細かくは背開きにするか腹開きにするかなんかもあるけどね」


「どっちがおいしいんですか?」


さとしが難しい顔をする。


「それはとても難しいね。自分は子供のころ育った愛知県で食べ慣れた関西風の『濃厚でしっかりとした甘み』も好きだし、今よく食べる関東風の『すっきりとした上品な甘辛さ』も好きだから甲乙つけがたいってとこかな……」


ここで美鈴が口をはさむ。


「それなら今日ここで今から食べる関東風と、いつも美波が食べてる関西風を比較して自分で決めたらいいじゃない」


「そっか!お母さん頭いい!」


そうこうしているとうな重が運ばれてきた。

三人がお重の蓋を取ると、お重の中に閉じ込められていた熱い湯気とともに、上品で深みのある香りが一気に鼻腔をくすぐった。

美波と美鈴がうっとりした表情をする。


「私このにおいだけでご飯が3杯はいける気がする……」


美波がそう言うと美鈴も続いた。


「ホントね……。もう口の中からよだれがあふれてきそうだわ……」


そう言うとつばきを飲み込むのであった。


「「「いただきます」」」


三人声を合わせて、いただきますをすると箸を手に取った。


「お母さん、このウナギ箸で持つとやわらかいのがよくわかるよ」


そう言うと箸を口へと運んでいった。


「……口の中でふわふわな触感と甘いタレ、そしてご飯が合わさって、至福の空間が出来上がってるよ!……こんなの関西関東どっちがいいかなんて選べないよ……」


この美波の意見に美鈴が同意する。


「そうよね。どっちがいいかなんて選べないわ。どっちもいいが正解なんだから!ああ、こんな美味しいウナギを食べられるなんて幸せだわ……」


「まさにそうですよね。どちらのウナギもおいしいんですから、選べなくても仕方ないですよね。二人が僕と同じ意見でよかったです」


こうして三人はおいしく、うな重を平らげていくのであった。

一緒に出されていた肝吸いもおいしくいただいた三人。

その顔はとても幸せそうな顔をしていた。

こうしてお腹を満たし、エネルギーを補充した三人は、これから本格的な川越の散策を開始するのであった。


第3章第16話をお読みいただきありがとうございます。


今回は川越名物の一つ『うな重』のお話でした。私もウナギが好きで時々食べたくなります。

なので2~3年に一度愛知県を訪れたときには、ひつまぶしを食べるようにしています。

良かったら皆さんが住んでいる地域のウナギの名店があったら是非教えてください。

いつか訪れたときの参考にさせてもらいます(笑)。

ちなみに愛知県では熱田神宮そばにある『あつた蓬莱』名古屋松坂屋店、と岡崎市の岡崎城と岡崎駅のそばにある『はせべ』のウナギが個人的にお勧めです。


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