第3章 第十三話:鷲宮神社
美波たちが埼玉に来てから3日目の朝。
朝食を済ませた三人はさとしの運転する車に乗っていた。
助手席で大きな欠伸をする美波。
「眠そうだけど、美波は昨日寝られなかったのかい?」
「ああ、ちょっと気が立っちゃってたみたいで……」
「昨日、初めてお客さんに施術したわけだし仕方ないかもね」
「あはははは……」
力なく笑ってごまかす美波であった。
今さとしが向かっているのは埼玉県久喜市にある鷲宮神社であった。
鷲宮神社は、出雲族の草創に係る「関東最古の大社」と伝えられる古社で、商売繁盛や縁結びの御利益があるとされている。また、鷲神社や大鳥神社などの商売繁盛の酉の市で有名な神社の関東総本社としても知られており、御祭神には天穂日命、武夷鳥命、大己貴命の三柱が祀られている。鷲宮神社は皇室や天天皇陛下とも非常にゆかりが深い神社であり、明治天皇が鷲宮神社でご休憩された記録や、昭和天皇も神社へ「幣帛(へいはく:神様へのお供え物)」を贈られている。
「今日向かう鷲宮神社は、自分が埼玉に越してきたばかりの頃によく初詣に行っていた神社なんだよ。関東最古の大社とされていてね、大晦日には御神楽を踊ってくれるんだよ」
「鷲宮神社なら知ってますよ。『らき☆すた』っていうアニメが好きな友達から写真撮ってくるように言われてますし」
「確かにらき☆すたの聖地として昔のぼりが立ってるのを見た気がするよ。ちなみにそのお友達は京都の鷺森神社の時の『けいおん』好きのお友達かな?」
「はい!だから、女の子なので安心してくださいね」
笑顔でさとしに言う美波につられて、さとしもいつの間にか笑顔になっていた。
ーーー
車が鷲宮神社の駐車場に到着する。
三人は降りるとお参りをするため本殿へと向かって歩いていく。
美波は歩きながらも、友達に送るための写真を撮っていた。
途中本殿の向かい側にある神楽殿の前でさとしが二人に説明をする。
「この神楽殿では『鷲宮催馬楽神楽』が行われるんだけど、 国の重要無形民俗文化財に指定されていて、関東神楽の源流とされているんですよ」
「きっと素敵な御神楽なんでしょうね。いつかさとしさんと一緒に見てみたいわ」
「ええ、いつか一緒に見に行きましょう。もちろん美波もね」
(私は二人きりが良かったんですけどね……)
「そうですね。みんなで見に来ましょうね」
三人は本殿に着くとお参りを済ませ、社務所へとやって来ていた。
「そうだ。ここには面白い御守りがあるんですよ。この『笑門来冨久守護』のおまもりです。見た目がちょっと可愛いんですよ」
その御守りは大黒様の可愛らしい顔のついた大きめの御守りであった。
「これは商売繁盛や金運を高めてくれるそうですよ。どうせならお店に一つ買っていこうかな……」
「それなら私が買って、さとしさんのお店につけてもいいですか?」
美波の突然の提案に驚くさとしであった。
「美波、いいのかい?」
「はい。さとしさんには今回お世話になりましたし……。それに……」
(それに将来一緒に働くことになるかもしれないしね)
「『それに』なんだい?」
さとしが言葉の続きを美波に尋ねる。
「それは秘密です!」
そう言って、さとしを見ながら楽しそうに笑うのであった。
「それじゃそろそろ御朱印を頂こうか」
三人は基本の御朱印を頂くことにする。
ちなみに鷲宮神社の御朱印は基本の物とは別に季節限定の物がいくつも用意されており、1年間に何度来ても新しい御朱印に出会えるのも魅力である。
御朱印を頂いた三人は境内をぐるっと一周してから駐車場へと向かっていったのであった。
「この後は昨日行った上尾市にある八枝神社に行って、そのあとには川越に行くからね」
さとしが行き先を告げる。
「ちなみにお昼は川越についてから、名物を食べる予定だから、途中であまり買い食いとかしないようにね!それに川越には有名なお菓子横丁もあるしね」
そう言って笑うのであった。
美波と美鈴は川越の名物とお菓子横丁を思い、目をらんらんと輝かせるのであった。
第3章第13話をお読みいただきありがとうございます。
今回は埼玉に越してきた当初よく大晦日にお参りに行っていた鷲宮神社について書かせてもらいました。
大晦日に訪れたときにお神楽をやっていたのが印象的でした。
大晦日には人が多く集まる神社なので、少し離れた場所に車を停めて歩いて行ったのを覚えています。
是非近くまでいらしたときには、鷲宮神社へ行っていただき、『笑門来冨久守護』(通称:福ぶく様?)を買って行って下さい(笑)
お知らせ:投稿が何とか今日中に間に合いほっとしています。しかし明日は本当に時間がないためお休みになると思いますのでよろしくお願いします。できる限り毎日投稿していこうと思いますので、ブックマークと評価☆で応援をよろしくお願いします。




