第3章 第三話:自宅訪問
大宮か大きな渋滞もなく約20分ほどでさとしの自宅兼店舗に到着した。
「到着しましたよ。ここが我が家です。ようこそお越しくださいました」
さとしが少しおどけた様子で二人を歓迎した。
最初に美鈴が、
「今日から4日間お世話になります」
というと、美波もそれに続いた。
「さとしさん、よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくね」
美波が我が家を見上げている。
「それにしても大きなおうちですね」
「でも住居スペースはそこまで広くないよ。一回の大半は店舗として使ってるからね。あと1階にあるのは客間とお風呂やトイレぐらいだね」
さとしは家の中を案内しながら、客間へ二人を案内する。
「この1階の客間を二人で使ってください。何か必要なものとかあったら遠慮なく言ってくださいね」
二人はさとしにお礼を言うと荷物を下ろしていった。
「少し落ち着いたら2階の居間に来てください。お茶でも飲みながら今後の日程を詰めちゃいましょう」
そう言ってさとしは2階へと上がっていったのであった。
ーーー
お出かけ着から部屋着に着替えた二人は2階の居間へと移動した。
「コーヒー、紅茶、日本茶、オレンジジュースならどれがいいですか?」
「私はコーヒーを頂こうかしら」
「私は紅茶でもいいですか?」
「了解です。ちなみに紅茶はスーパーのティーバッグの物だけどいいかい?」
「はい。私それ結構好きなんで」
美鈴とさとしがコーヒー、美波が紅茶となった。
さとしがそれぞれの前に飲み物を出し、さとしがあらかじめ買っておいたお菓子を二人の目の前に出した。
その途端、美波の目の色が変わったのは言うまでもない。
「さ、さとしさん、これ食べちゃっていいんですか?」
「もちろん。二人に食べてもらおうと思って買ってきたんだからね。それにこれは美波が俺に以前リクエストしていたものだよ」
「もしかしてこれって『翔んで埼玉』の『うまい、うますぎる』のやつですか?」
「そう、これがあの『十万石饅頭』なんだよ。美鈴さんもお嫌いでなければ食べてやってください」
一見平静を装っていた美鈴であったが、さとしの一言でお菓子に手を伸ばし始めた。
十万石饅頭をほおばる二人はとても幸せそうな表情を見せていた。
ちなみに埼玉県を代表する銘菓である『十万石まんじゅう』は、行田市に本店を構える『十万石ふくさや』が製造販売する伝統的な薯蕷饅頭で、埼玉県のいたるところに出店している。テレビCMの「風が語りかけます。うまい、うますぎる!」というフレーズとともに、埼玉県民のソウルフードとして広く愛されている商品である。
「それで今後の予定なんですが、明日は一日美波に職場体験をしてもらおうと思うんだけどいいかな?」
「はい。よろしくお願いします」
美波が元気に返事を返した。
「それで美鈴さんは明日は一日どうしますか?何か希望とかありますか?」
「私の良かったら二人のお手伝いさせてもらいます。さとしさんには美波の面倒を見てもらうんですし」
「それだったら、是非美鈴さんが作ってくれたお昼ご飯が食べたいです。お嫌でなければ出すけど……」
さとしが遠慮がちに提案をした。
「私の料理でよければ喜んで。なら今日のうちに一度スーパーに行かせてもらってもいいですか?」
「もちろんです。明日は楽しみが一つできましたよ。3日目と4日目は御朱印集めと観光の予定でいいですよね?」
「はい、それでお願いします。」
美鈴が答えると、美波もそれにお同意したのであった。
こうして、再び出会った三人の新たな御朱印集めの旅が、埼玉の地にて再開されることとなったのである。
埼玉の地でどんな出来事が待っているか心をワクワクさせながら、美波と美鈴親子は幸せそうに十万石饅頭をほおばっていた。
第3章第3話をお読みいただきありがとうございます。
今回はさとしにお自宅にて、美波が希望していた十万石饅頭をいただくシーンを書かせていただきました。
十万石饅頭は甘さも控えめで、とても食べやすく、年に数回食べたくなったりしてしまいます(笑)。
もしよかったら皆さんのそう言った地元のお菓子とかあったら教えてください。
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