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食いしん坊たちの御朱印集め紀行  作者: サッサン
第1章:瀬戸内海とお墓参りと運命の出会い

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第五話:三原への帰路【加筆&修正】(26年6月17日)

美術館を出た二人は美術館の傍にある「みしまや」という和菓子店にきていた。

みしまやは明治42年創業の老舗の和菓子屋さんで、みしま饅頭とレモンケーキなどが有名である。


「レモンケーキが売ってる!お母さんも好きなんでちょっと電話して買っていくか聞いてみますね」


そう言ってお店の外へ出ていった。

さとしは待っている間に、自宅へのお土産用にみしま饅頭を郵送で自宅へ送ることにする。

少しすると、美波が戻ってきてさとしに話をする。


「お母さんにさとしさんのこと話したら、ぜひうちに連れて来て夕飯をうちで食べてもらいなさいって言ってたんだけど、それでいいよね?後よかったらうちに泊まってもらいなさいっとも言ってるんだけど」


「泊るのはさすがに悪いだろ……」


「そんなことないよ!絶対に泊まっていってくれないとだめだからね!お母さんにさとしさんがうちに泊るってって言っておくからー」


こうなってしまったらおそらく美波はてこでも動かないだろうと考えホテルのキャンセルを行った。


(今回予約したホテルは当日キャンセルでも連絡さえすればキャンセル料が無料で、正直助かったな)


「それなら夕飯と泊めてもらうお礼に、俺がレモンケーキを買って持っていくよ。どうせなら俺も食べたいしこの16個入にしようか」


16個入の大きい箱の物を買うと聞いて、美波は満面の笑顔になった。

「こんな大きい箱のやつでいいの?嘘じゃないよね?」


さとしは苦笑いしながら答えた。

「そんなことで嘘つかないよ。それにホテル代が一泊分浮いたからこれでもおつりがくるぐらいだよ」


買ったレモンケーキの手提げ袋をさとしが持とうとすると、美波が横からかっさらった。


「さとしさんは荷物多いから私が持っていくよ。というか私に持たせて」


「ありがたいけど重くないか?」


美波は肘を曲げ可愛らしい力こぶを作り自慢げにいった。

「私力結構あるんだから任せて!」


「なら任せるけど、途中で食べちゃダメだからな!」


「………1つぐらいは?」

美波は上目づかいで尋ねた。


「いくら可愛くいってもだめに決まってるだろ。それは君のお母さんへのお土産なんだから」


「はーい。家まで我慢しまーす」


2人は仲良く並んで高速船に乗るため沢港へと向かって歩き出した。


ーーー


2人は沢港の待合室で船の到着を待っていた。


美波がうんざりした顔でつぶやいた。

「私行きの船で酔っちゃったんですよね……。子供の頃は何ともなかったのに」


「もしかして近くの波しぶきや白波を見てたんじゃないか?」


「はい。どうしてわかるんですか?」


「足元の揺れる波をじっと見てると、視覚の刺激が強すぎて逆に酔いやすくなったりするんだよ。だから帰りは遠くを見るようにするといいよ」


(さとしさんてすごいもの知りで素敵。私みたいなハイクラスの女にはこういう知的な男性が似合うわよね!)


待合室に三原港行きの高速船が到着する旨を伝える放送が流れた。

2人は乗り場へ移動し、乗船が始まるのを待っていた。


「帰りは船内の座席と甲板どっちにいたい?」


行きの船で酔ったことがかなりのトラウマだったらしく、暗い顔で答えた。

「船内の座席でいいです……」


「ならそうしようか。でも瀬戸内海は波が穏やかだからそんなに揺れないし大丈夫だと思うけどね。でも、ゆっくりお話しするには船内の方が静かでいいけどね」


その言葉を聞いて笑顔になる美波であった。

(さとしさんは私とお話がしたいのね!こんな年上の男性までも魅了してしまう私はなんて罪作りな女なのかしら……)


「いいですよ。可愛い私と沢山お話ししましょうね!」


そして船の乗船が開始され、二人も居並んで船に乗り込んでいった。

船内の座席に横並びで座る二人。


(はたから見れば「親子」とか「おじさんと姪」、よくても年の「離れた兄妹」といったように見られているんだろうな)


沢港を出発し、三原港へ向けて進んでいく船の中で美波はさとしに言われた通り遠くの景色を眺めていた。

「そういえば美波のご両親はどんな感じの方なんだい?」


「母は凄い元気な人ですよ。あとちょっとだけ思い込みの激しいところもありますけど……。基本いいお母さんですよ。」


「へー、なら美波の性格はお母さん似なんだね」


恥ずかしそうにする美波。

「そんなー、私のこといい人だなんて恥ずかしいじゃないですか!間違ってませんけど」


(似てるのはそっちじゃなかったんだけどな……)


「それでお父さんは?」


急に不機嫌な顔になる美波。

「あの人に会うことはないでしょうから気にしなくて大丈夫です」


「そ、そうか。気にしないでおくよ」


(父親とは相当仲が悪いんだな)


「お、三原港が見えてきたよ、美波」


三原港が段々と近づいてきたのであった。ここからこの二人を中心とした物語はさらに加速していくのであった。





食いしん坊たちの御朱印集め紀行をお読みいただきありがとうございます。

もし気に入っていただけましたら、ブックマークと評価☆及び感想を頂けると作者みょうりに尽きます。


次の投稿時期は基本的に未定です。この作品はメインの「幼馴染の境界線」の投稿の合間に作成していきますので、ランダムな投稿になると思います。

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