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第2章 第十四話:叡山電鉄巡り(田中神社)

日間ランキングで【コメディ】連載中10位、すべて68位に入ることができました!これもブックマークと評価★にて応援いただいたおかげです。ありがとうございました。今後も皆様からの応援よろしくお願いします。

三人は叡山電鉄の京都側の始発駅に当たる出町柳駅へやって来ていた。

さとしが2人の方を向いた。


「まず最初にここで1日乗車券の『えぇきっぷ』を買いましょう」


『えぇきっぷ』とは叡山電車が一日乗り降り自由になる切符で、沿線の社寺・施設で割引などの優待を受けたりすることもできるお得な切符となっている。料金は大人が1200円、子供が600円である。

1日乗車券を購入した三人は駅の構内に入っていった。出町柳駅のホームは1番から3番まであり、なんともレトロな印象を受ける駅であった。


「まず最初に隣駅の元田中駅で降りて、田中神社に向かいましょう」


三人は出発の時刻を待っている電車に乗り込んだ。ほどなくして電車が動き出す。

元田中駅には約2分で到着した。

元田中駅であるが、駅のホームが「東大路通」という大きな道路の踏切を挟んで、上りと下りで前後にずれて向かい合う変則的な配置となっており、千鳥式ホームというらしい。ぽつんとある無人駅で、レトロな石畳のホームにどこか歴史を感じる佇まいをしている。京都大学がある「百万遍」交差点からすぐ北に位置しているため、周辺は家賃の安いアパートや学生向けの飲食店が密集している。

元田中駅で降りた三人は美波がスマホの地図アプリを使い田中神社を目指す。


「今回は足を挫かないように、画面にばかり集中しちゃだめだからね」


さとしが瀬戸田でのことを思い出し注意をした。


「同じ失敗はしませんから安心してください!」


「それにしても元田中なんてなんかおかしな名前の駅ですよね。普通に田中駅じゃダメだったんですかね?」


そう言って首をかしげる美波であった。


「昔、この辺り一帯を『田中の里』と言っていたらしいんだ。おそらく『元は田中の里』を略して『元田中』になったんじゃないのかな。それと、諸説あるんだけど、実は日本に数多くいる『田中さん』という苗字の発祥の地の一つとも言われていて、全国の田中さんにとってこれから向かう田中神社が隠れた聖地になっているみたいだよ」


美波はさとしを上目遣いに見詰めてから耳元で囁いた。


「それなら将来一緒に『折口さん』の聖地も探していきましょうね」


そんな話をしていると目的の田中神社に到着した。田中神社は閑静な住宅街に中にあり、神社には多くの樹木が植わっており、その空間はとても静かで厳かな雰囲気を持っていた。

三人で並んでお辞儀をし鳥居をくぐる。

三人はまず、本殿でお参りを済ませると、社務所に向かい御朱印を頂戴した。

美波がその御朱印に押されているスタンプを見てさとしに尋ねた。


「さとしさん、見てください。ここの御朱印に葵の家紋のスタンプが入ってますよ!この田中さんの聖地は徳川家に由来があるんでしょうか?」


「この田中神社だけど、江戸時代の寛永5年、西暦で1628年に、近くの下鴨神社の式年遷宮に伴い、その旧殿を譲り受けて本殿としたらしいんだ。そのせいで社殿や拝殿には、下鴨神社とも縁の深い『三ツ葉丸葵』の紋が付けられているんだよ」


その話を聞いていた美鈴が感嘆の声を上げた。


「さとしさんはよく色んなことを知ってますよね。ほんとに尊敬してしまうわ」


そう言ってうっとりとした表情でさとしを見つめた。


「正直にいうのは恥ずかしいんですが、……実は二人に少しでも楽しんでもらえたらと思って、事前に今回行く神社について調べておいたんですよ」


「そんなことしてくれてたんですか。さとしさんいい人すぎますよ!余計に好きになっちゃったじゃないですか。ちゃんと責任取ってくださいね」


そう言って美波がさとしの腕に抱き着いてきた。


「ホントにさとしさんはそうやって私達を虜にしちゃうんですね」


美鈴も美波に負けじと空いている方のさとしの手を取り、両手で胸の前で包み込むように優しく握ったのであった。


「そんなに喜んでもらえたなら、頑張って調べてきたかいがありますよ。この後も任せてくださいね!」


自身が調べてきたことが二人に認められたことが嬉しく、意気揚々と次の目的地へと向かうさとしであった。


(しかし二人ともボディタッチが多い気がするな。美波の責任云々はどうせ俺をからかってるんだろうし、これはきっと変な意味があるわけでなく、事前に調べてきた俺への純粋なご褒美のつもりなんだろう)


さとしが相変わらずに朴念仁であったことは言うまでもない。


第2章第14話をお読みいただきましてありがとうございます。


私も初めてここで出てくる元田中駅に降りたとき、「なぜ元なの?」という疑問を持ったので、それを話の中に入れてみました。まさか田中さんの聖地であったとは今回調べるまで知らなかったです(笑)


このお話を気に入ってくださっている方はぜひブックマークと評価での応援をお願いします。皆さんお応援が私のキーボードを押す活力に直結していきますので(笑)。


明日も朝7時40分に投稿しますので、よろしくお願いします。

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