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第2章 第六話:八坂神社

強い陽射しの中、八坂神社へ向けて歩いている三人。

目の前には八坂神社の西楼門が階段の上に鎮座している。

ちなみにこの西楼門は四条通からよく見えるため表の顔として有名であるが、実は正門ではない。正門は南側にある「南楼門」である。

この八坂神社であるが、京都の祇園エリアに鎮座し、全国に約2,300社ある八坂神社や素戔嗚尊すさのおのみことを祀る神社の総本社である。地元では親しみを込めて「祇園さん(ぎおんさん)」と呼ばれており、京都の夏を彩る日本三大祭りの一つ「祇園祭」が執り行われる神社としても世界的に有名である。


「しかしいつみてもこの八坂神社の西楼門は立派だよね」

八坂神社へと渡る横断歩道で信号待ちをしている際にさとしがしみじみと呟いた。


「ここも有名な神社なんですか?」

美波が尋ねると、さとしが答えた。


「全国の八坂神社系列の総本社にあたる神社だからね。でもとくに有名なのはやっぱりあれかな」


「あれって何ですか?」


ここで美鈴が会話に入ってくる

「私はわかったわよ。きっと美波も聞いたことあるわよ」


さとしがヒントを出した。

「ヒントは……日本三大祭りの一つだよ」


「京都で有名なお祭り……、祇園にある神社……あ、祇園祭だ!」

美波が正解にたどり着いた。


「正解。ここで祇園祭が行われているんだよ。そのせいで地元の人たちはここを『祇園さん』って呼んでいるらしいよ」


そんな話をしていると信号が変わったため、三人は横断歩道を渡っていった。


ーーー


西楼門をくぐり、八坂神社の境内に入った三人は参拝所を目指して進んで行く。

その所々で屋台が並んでおり、クレープの甘い匂いや唐揚げの香ばしい油の匂いが混ざり合って漂っていた。そこに店主たちの威勢のいい呼び込みの声が重なり合って、にぎやかな雰囲気を醸し出している。神聖な感じではないかもしれないが決して嫌な感じはなく、むしろ多くの人から愛されてることを感じさせた。


「美波、さっき食べたばかりなんだからやめておけよ。……それに美鈴さんも、ベビーカステラをそんなにじっと見つめないでください」


クレープとベビーカステラの屋台を、獲物を狙うライオンのような目つきで見つめる親子に対し、さとしは呆れ顔で注意した。


「だって、甘くてとってもおいしそうな匂いがするんですよ!これを素通りするなんて、食に対する冒涜ですよ!」


美波が熱弁を振るう。そんな彼女を微笑ましく眺めつつ、さとしは冷静に突っ込んだ。


「もっともらしい理屈を並べているけど、それは結局、ただの食いしん坊なだけだからな」


放っておけば即座に屋台の列に並んでしまいそうな二人を、さとしは保護者のような心持ちで引っ張り、参拝所へと歩を進めた。引っ張られる二人の表情は思いっきり後ろ髪をひかれているようであった。


ーーー


参拝所は朱塗りのとてもきれいな建物であった。

三人はお参りを済ませると社務所へと向かう。

そこで頂いた御朱印には八坂神社のスタンプの上に、筆書きで祇園社の文字が大きく書かれていた。

そして御朱印と一緒に渡された紙には八坂神社の由来についての説明が書かれていた。

それによれば、慶応四年に八坂神社と改名されるまでは祇園社と呼ばれていたそうだ。ちなみに建てられたのは656年もしくは876年のどちらかであるとの事だった。


ーーー


御朱印をもらった三人は、八坂神社東側にあり、神社に隣接する円山公園を通り抜けて、次の目的地である平安神宮を目指すことにした。

この公園は明治19年(1886年)に開園した京都市内最古の公立公園で、総面積は約8万平方メートルにおよび、国の名勝にも指定されている。八坂神社の境内からそのまま歩いて入れるため、参拝後の休憩や散策に外せない大人気スポットとなっているようだ。


「春先とかの気候の良いときにお散歩するのに気持ちよさそうな公園ですね」


「そうですよね。ちなみに円山公園は京都屈指の桜の名所みたいですよ。春になると約680本の桜が咲くみたいなんですが、その中でも『祇園のしだれ桜』が有名みたいですね」


さとしの言葉を聞いて美鈴の目が怪しく光った。


「なら今度二人でその夜桜見に来ましょうね、さとしさん」


さとしの耳元でささやく美鈴であった。

その行動に顔をを赤くして焦るさとし。


「か、考えておきます」


そう答えるのがやっとであった。

顔を赤くするさとしを見て何となく二人のやり取りの内容に気が付いた美波。


(お母さん、さてはさとしさんを口説くような話をしたに違いないわ。……私も負けないんだからね!)


新たな決意を胸に宿す美波であった。

いつか美鈴とのこの約束が果たされる時が来るのかはまさに「神のみぞ知る」というものであろう。

公園を抜けた三人は一路、平安神宮を目指し歩いていくのであった。

第2章第6話をお読みいただきありがとうございます。


今回は八坂神社編でした。

以前御朱印を集めていなかったころは、立派な門だなって思うだけで中に入ったことはなかったんですが、今年の2月に初めてお参りし、御朱印をもらってきました。

中には屋台が常設されているようでにぎやかな感じが結構好きでしたね。

今回は美鈴が夜桜のお誘いをしてましたが、皆さんはいつかこの夜桜デートは行われる(or行われてほしい)と思いますか?

皆様の予想(or要望)を感想欄にてお待ちいていますね。まだ全然決めていないんですが、それによっては実際に夜桜デートが行われる可能性がアップするかも……。


この物語を応援して下さる方はブックマーク及び評価☆をよろしくお願いします。


明日の朝までにに、がんばって1話書き上げ、明日の午前中に投稿したいと思います。でも、もしできなかったらすいません(-_-;)

次回予告:平安神宮編です




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― 新着の感想 ―
ベビーカステラはマストなので、もし大好きなさとしさんにでも腕を引かれたら私ならガルガルになりまーす! 今回はよく我慢した!食いしん坊女子達って感じですね(笑)
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