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二十四話 サボリの代償

ストックもあるし、短いので、少し早めに投稿します。


 僕はルヴィエさんのいる第五訓練室の半開きになっている扉から中にいる人が見えない位置で、真面目にどうしようと悩んでいた。


 あの騒ぎを見た後にここまでゆっくり来た、ということは当然ルヴィエさんとの約束の時間には遅れている。三十分も。

 前の世界で学校に一時限目に三十分の遅刻をしたぐらいだったら、次の授業が始まるまで待つだろう。

 でも、人との約束だから僕が来ないと始まらないわけだし、何よりルヴィエさんを遅刻して待たしているという事態が単純に怖い。


 怖いから目の前の部屋に入りたくないし、本当に気分が悪くなってきたから帰りたい。

 けど、今日授業自体を休んでもどうせ明日にはルヴィエさんに会うことになるし、事前に何も伝えずに休んだ方が不味いことになるのは分かりきっていることだ。

 こういう事態になることは分かっていたけど、このことを頭の片隅に追いやって寄り道した過去をなかったことにマジでしたい……。

 というか、よく三十分も待ってたよな……。

 まあでも、自分の鍛錬をすればいいだけだし関係ないか……。


 はぁ……、このままうじうじして時間が経っていったら、もっと入りづらくなるだけだよな……。

 ……いくか。


「あの、すみません。遅刻しました!」


 僕は足の可動部分に痛みを感じるぐらい、出来る限り深々と頭を下げる。


「三十分の遅刻ね」


「申し訳ありません!」


 こわい。

 何が怖いって、怒るでもなく淡々と遅れた時刻を言うだけってのがどういう感情なのかが分からないのが怖い。

 それに、気にしてないとしたら遅刻した時間なんてわざわざ言わない――どれくらい遅れているかなんて時計も見ずにいえるわけもないから、絶対に何かしらの感情はあるよな……。


「じゃあ今日も、昨日と同じメニューでやるわよ」


「えっ、昨日と同じって……。あの、今日は昨日より三十分少ないと思うのですが……」


「そうね。でも、それを理由にやることを減らしたら予定が狂ってしまうわよね。だとしたら、あなたがその分を頑張るしかないと思わない?」


「……はい」


 昨日の時点でいっぱいいっぱいだったのに、それを三十分短縮しろって……。

言っていることかなり鬼畜だけど、悪いのが僕だから何も言えない。


「それと、昨日とやっていることが同じでは単調になってしまうから、昨日と同じメニューが終わったら、体術を教えるわ」


「えっ!!昨日のやつ全部やった後にすぐですか!?」


「そうよ」


「さすがに、時間的に無理だと思いますけど……」


「無理だとしたら、放課後にやるしかないわね」


 人がいそうだから早朝にここにきているのに、人の目を集めるルヴィエさんとセットで放課後にやるのすごく嫌なんだけど。


「……あの、昨日のメニューの後に体術って、時間的に絶対に放課後もやらないと無理な感じですよね?だとしたら、これからも放課後もやっていかなきゃいけない感じですか?」


「そうして欲しい?」


「……いえ」


 これ絶対に、今日のメニューがこんなハードスケジュールな予定じゃなかったよな。

 ということは、絶対にルヴィエさんキレてるよな……。


「早く始めないと、終わらないわよ」


「はい、始めます」


 メニューがハードになるし、ルヴィエさんが怖かったことから、僕はこれから絶対に遅刻をしないことを強く誓った。


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