十五話 学園から離れた僕の日常
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特に苦戦もしなかったコボルトの依頼以降に受けた依頼も楽勝だった。
そんな感じで調子が良かったため、エルディーさんからのこのまま三人で依頼を受けても効率が悪いのではないかという提案により、手分けして依頼を受けることになった。
そして今は、僕とエルディーさんチームとルヴィエさん一人で手分けして依頼を受けている。
僕としては一人だけのほうがよかったけど、戦力的な面で考えたら妥当なチーム分けなのは間違いない。
「今回も楽勝だったわねー」
「そうですね」
ギルドの受付けに依頼完了を報告してあと、エルディーさんはこなれたもんだといった感じで僕に話を振ってきた。
今回の依頼も初めての依頼ときの慎重さはどこに行った感じでなにも準備もせず挑んで達成できたわけだし、僕もエルディーさんも実際こなれてきたのだろう。
「どうする?この後にもう一個ぐらい依頼受ける?」
「いえ、僕は明日に備えて今日は休みます」
僕は基本的にゆっくりしたいので、依頼を受けることを間接的に断る。
「なら、今日も私は一人でもう一個やっちゃうわ」
依頼をたくさん達成するとギルドランクというのが上がり、今まで受けてきたよりも高ランクの依頼を受けられたり、高ランカー限定の店があるらしい。
エルディーさんはお金を稼ぐためか、ランク上げをするためかはわからないが、僕と依頼を終えた後もほぼ毎日一人で受けている。
だから、僕が言った「今日は休みます」は正しくなくて、エルディーさんの「今日も私一人で」という方が正しい表現だと言える。
ちなみに、ランクはF級からS級まであって、Sのランクが一番高くて、Fが一番下という感じだ。
「じゃあ、私は依頼を見てくるわ」
僕はそういって依頼掲示板にかけていくエルディーさんの姿を見て、頑張っててえらいなーなんて思いながら、宿に向かうためにギルドから出た。
宿に帰って二時間ぐらい本を読んでいた僕だったが、前の世界だと三時のおやつの時間帯になり小腹も空いたので、なんかうまそうな食べ物を探すために外に出た。
こういう食べ物を探すのは今日が初めてではなく、ここにきてから四日目あたりから今までずっとやっている。
理由としては、単純に暇つぶしになるし美味しいものを食べたいというのもあるが、好き嫌いが多い自分が食べれるものを知っておきたいというのもある。
「今日もあの店に行くか」
大体うまいもの探しも二週間ぐらいしているため、自身の舌に合う食べ物を売っている店も見つけることができ、最近はずっとその店に通っている。
ちょうど、その店が見えてきた。
店前まで移動して木製の扉を開けると、カラーンコローンと人が入ってくることを知らせる鈴が鳴る。
「いらっしゃいませー」
僕が初めてこの店に入ったときの感想は、ほかの店と違うなというものだった。
この町での店を見た感じ保存できる売り物としての食べ物は、火をとしていたり乾燥させてあったり塩漬けにしてあったりするのが基本だ。
だが、この店では飴とかキャラメル、ポテトチップ、せんべいみたいのが売られている。
まあ、普通に考えてほかの所で出回ってない商品が並んでいるのはおかしいので、何かしらのあるんだろうな~とは思っているが特に気にしていない。
後、この店は商店街みたいになっているところから外れた場所に位置しているので、あんまり認知されてなさそうな感じがする。
この店の品ぞろえは確かにこの世界のものとは違うため最初は抵抗感があるかもしれないけど、僕が元の世界になじんでいるというのを抜きで他の店の商品よりも明らかにいいものではあることは間違いないと思っているから、人が少ない原因としては立地しかない感じがするし。
「福崎君」
いきなりルヴィエさんに声を掛けられ、体をビクッとした。
やましい気持ちがあったとかそういうことではなく、単純にこの店で知り合いに会うというか、人に声を掛けられるとは思ってなかったので驚いてしまったのだ。
そういえば、最近はエルディーさんと一緒に依頼を受けていたので、ルヴィエさんとしっかりと対面するのは久しぶりな気がする。
「どうも」
僕たちは挨拶して後のしばらくの間、僕から声を掛けるなんてことはしないし、向こうから声をかけられることなかったため、一言も言葉を発していない。
他の人だったら、顔見知り同士で一緒にいるのにお互い黙りこくったままというのはいいのかなとか思っちゃうけど、ルヴィエさんは会話をあまりしないタイプだと分かってるから、特に気まずいといった感覚はない。
「福崎君はよくここに買い物に来たりするの?」
なんとなく、このまま会話もなく二人とも買いたいものだけ買って解散になるだろうなと思っていたので、ルヴィエさんが話しかけてきたことにちょっとだけ驚いた。
「……まあ、ちょくちょく」
「いつもは何買ったりしているのかしら?」
「えーとー、これーとかですかね」
別に嘘を言う必要がないので、ここに来たらよく買っているポテトチップみたいなやつに指を向ける。
ちなみに、なんでわざわざみたいなやつと語尾を付けているかというと、商品名が違うのと何でできているのかが分からないからだ。
「おいしいの、それ?」
「まあ、おいしいですね」
「……そう」
ルヴィエさんは僕が言った商品をじろじろと見て、手に取った。
なんというか、氷の優等生という言葉が似合うルヴィエさんがポテトチップを手にしている姿は、なんともミスマッチな感じがしてちょっと面白い。
というか、ルヴィエさんはこの店のこと利用してるんだな。
「福崎君達はどう、順調?」
いきなりの話題の質問でなんなんだろうと思ったが、福崎君達という言葉からなんとなく何を聞きたいのかが分かった。
「特に困ったこととかなかったですよ。エルディーさんなんて、今も一人で依頼を受けてるぐらいですし」
「そう」
ルヴィエさんが「そう」といった後に沈黙が起きたので、ここで会話が切れるのはどうなのかなと思い、僕は話題を提供することにした。
「ルヴィエさんは、この後なんか予定があったりするんですか?」
「さっき受けた依頼があるわ」
なるほど……。
依頼の内容にもよるけど、今大体三時ちょいぐらいだから……、大体帰ってくるのは遅くとも七時くらいかな?
エルディーさんもルヴィエさんも働き者だな。
僕はそんなことを思いながらも、宿に帰ったら食べようと思っている商品を店員さんの所までもっていき、会計を済ませる。
「ありがとうございましたー」
「じゃあ、また。依頼頑張ってください」
店員の挨拶する声も聞こえてきたのでもうそろそろいいだろうと思い、僕は分かれる雰囲気を出す。
「あなたはこの後どうするの?」
「えーと……、まあ宿に帰ります」
「……そう」
この後依頼を頑張るといったところで、どうせエルディーさん経由で僕がどうしたかは分かってしまうので、無駄に嘘をつかないことにした。
ただ、多分そのせいでためのあるルヴィエさんの「そう」を聞かされてしまい、もしかしてもうちょっとは頑張ったほうがいいのかな、なんて思ってしまった。




