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第24話 静かすぎる、最期
源三郎は、それから数週間、熱にうなされ続けた。廃寺の地下で何があったのか、彼は誰にも話さなかった。 ただ、彼の体からは、常に微かな水の匂いがした。時折、水音が聞こえると言っては、虚ろな目で天井を見つめるようになった。 彼は、呪いに打ち勝ったわけではなかった。呪いの一部に取り憑かれ、ゆっくりと命を削られていったのだ。
しかし、彼の執念は、そこで終わらなかった。 彼は、息子の成長を見届け、そして孫である翔太が生まれた時、彼の瞳に亮介の面影を見出した。 「この子なら……」
言葉を呑み込むように、源三郎は静かに机に向かった。古びたノートを開き、震える手で、最後のページにペンを走らせ始める。
「この町は、呪いの共犯者である。そして、その呪いを打ち破るには、誰かが犠牲になるのではなく、二人で運命を乗り越えるしかない。亮介ができなかった、第三の道を、この子なら見つけられるかもしれない。託す。俺の、そして亮介の執念を」
彼は、そのノートを鍵のかかった引き出しにしまった。 そして、静かに、朝を待った。 窓の外は、雨が降り始めていた。




