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神に選ばれたので、好き勝手に生きます  作者: 櫻木サヱ
神の力、バレました

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地下遺跡の怪物

翌朝。


まだ日が昇りきる前。


ラウルの街は薄暗く、

朝霧が石畳を覆っていた。


そんな中。


「眠い……」


俺はギルド前で欠伸していた。


異世界でも朝早いの辛い。


すると隣から冷たい声。


「緊張感ない」


フィアだった。


相変わらず朝でも美人だなこの子。


銀髪が朝日に反射して綺麗だった。


「いや、眠いもんは眠いだろ」


「普通は怖がる」


「まあ確かに」


今日は、

消えた冒険者たちの捜索。


しかも場所は、

魔力汚染が確認された廃鉱山。


危険度高めだ。


その時。


「お待たせしました」


静かな声。


神殿の少女だった。


白銀のローブ姿。


朝なのに全然眠そうじゃない。


すごい。


フィアが小さく呟く。


「真面目」


「お前もな」


すると少女は俺を見る。


青い瞳。


相変わらず綺麗だけど圧がある。


「体調は?」


「え?」


「昨日、解析を過剰使用していました」


ギクッ。


分かるのか。


少女は続ける。


「精神系スキルは脳へ負荷がかかります」


なるほど。


だから昨日あんな頭痛かったのか。


「気をつけてください」


「お、おう」


なんか普通に心配された。


意外と優しい?


その時。


ギルドマスターが現れる。


「揃ったな」


後ろには、

数人の冒険者もいた。


皆、

武装している。


本格的だ。


「今回の目的は二つ」


ギルドマスターが低い声で言う。


「行方不明者の捜索」


そして。


「廃鉱山内部の調査だ」


空気が引き締まる。


冒険者たちも真剣だった。


その後。


俺たちは北の廃鉱山へ向かった。


街から数時間。


山道を進む。


そして見えてきた。


巨大な岩山。


その中腹に、

ぽっかり空いた黒い穴。


廃鉱山。


「うわ……」


近づくだけで寒気がした。


嫌な空気。


まるで、

洞窟そのものが生きてるみたいだった。


《解析》が反応する。


《高濃度汚染領域》


赤い警告表示。


頭痛までしてきた。


「ユーマ?」


フィアがこちらを見る。


「大丈夫か」


「……なんか気持ち悪い」


神殿の少女が小さく頷いた。


「正常です」


正常なのこれ?


「汚染領域では感覚が鋭い人ほど影響を受けます」


つまり俺の解析が反応しまくってるのか。


嫌すぎる。


ギルドマスターが剣を抜く。


「入るぞ」


鉱山内部は暗かった。


湿った空気。


水滴の音。


足音がやけに響く。


冒険者たちも静かだった。


しばらく進むと、

壁に傷跡が見え始める。


爪痕。


しかもデカい。


「魔物か……?」


一人の冒険者が呟く。


すると。


《解析》が反応。


《人型反応を確認》


「……え?」


奥。


暗闇の中。


誰かいる。


「止まって」


思わず声が出た。


全員が止まる。


ギルドマスターが鋭く振り向く。


「どうした」


「前に誰かいる」


冒険者たちが警戒する。


フィアが剣を構えた。


暗闇の奥。


ゆっくり、

人影が現れる。


ボロボロの鎧。


虚ろな目。


身体から黒い靄が漏れている。


「……っ」


冒険者の一人が青ざめた。


「行方不明だった奴だ……!」


え?


でも。


あれ。


明らかにおかしい。


人影は首を傾ける。


関節が、

不自然に曲がっていた。


そして。


「ア……ァァ……」


低い呻き声。


次の瞬間。


その身体が、

異常な速度で突っ込んできた。


「来るぞ!」


ギルドマスターが叫ぶ。


剣が振るわれる。


だが。


ガギィィン!!


「硬ぇ!?」


刃が弾かれた。


人影の身体が、

まるで金属みたいに硬い。


しかも。


《解析》が、

さらに警告を出す。


《対象:汚染変異体》

《危険度:B》


「B!?」


新人が遭遇していい相手じゃないだろ!?


その瞬間。


暗闇の奥で、

さらに複数の目が光った。


「……嘘だろ」


一つじゃない。


まだいる。


しかも。


地面の奥。


もっと深い場所から、

“何か”巨大な反応が近づいてきていた。


《超高濃度魔力反応 接近中》


嫌な予感しかしなかった。

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