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神に選ばれたので、好き勝手に生きます  作者: 櫻木サヱ
神の力、バレました

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11/19

初めての報酬

ギルドの空気は、

どこか重かった。


魔物暴走。


その言葉が出てから、

冒険者たちの表情が変わっている。


笑い声も減った。


皆、

どこか落ち着かない。


「最近ほんと多いな……」


「東だけじゃねぇ。南でも出たぞ」


「異常だ」


ひそひそ声が聞こえる。


俺は受付前で、

もらった革袋を見つめていた。


チャリン。


銅貨。


異世界で初めて稼いだ金。


「……なんか感動する」


思わず呟く。


するとフィアが横から覗き込んだ。


「そんなに嬉しい?」


「そりゃな」


自分で働いて得た金って、

なんか特別感ある。


しかも異世界。


テンション上がる。


フィアは少し不思議そうにしていた。


「変」


「またそれか」


でも、

彼女は少しだけ笑っていた。


その時。


ぐぅぅぅぅ……。


また腹が鳴った。


しかもかなり大きい。


「……」


「……」


フィアが無言になる。


やめて。

そんな目で見ないで。


「ユーマ」


「はい」


「本当に生き物?」


「腹減るのは普通だろ!?」


異世界来てから、

ずっと空腹なんだよ!


すると受付嬢が、

くすっと笑った。


「ふふっ。もしよければ、ギルド食堂使います?」


「食堂あるの!?」


「ありますよ」


神か。


いや女神は別にいるけど。


受付嬢はギルド奥を指差した。


「冒険者向けなので安いです」


「行きます」


即答だった。


フィアが小さくため息を吐く。


「即決」


「腹減ってるからな」


というわけで、

ギルド奥の食堂へ向かう。


中は思ったより広かった。


木製のテーブル。


酒を飲む冒険者たち。


厨房から漂う肉の匂い。


最高か?


「うわぁ……」


「また田舎者みたいになってる」


「だって異世界飯だぞ!?」


テンション上がるに決まってる。


席へ座ると、

店員のおばちゃんが来た。


「おや、フィアじゃないか」


「どうも」


「そっちの男の子は?」


「拾った」


「だからその言い方やめろって!」


おばちゃんが笑う。


「ふふっ、面白い子だねぇ」


フィアは完全に慣れてる顔だった。


どうやら常連らしい。


注文したのは、

肉とスープとパン。


そして。


運ばれてきた瞬間、

俺は感動した。


「うまそう……!」


肉がデカい。


パンも焼きたてっぽい。


異世界飯ってもっと怪しいと思ってた。


「いただきます!」


一口食べる。


「うまっ!?」


普通にうまい。


肉はジューシーだし、

スープも濃厚。


最高では?


夢中で食べていると、

フィアがじっと見てきた。


「……」


「な、なんだよ」


「食べ方すごい」


「腹減ってるから!」


すると店員のおばちゃんが笑った。


「いっぱい食べな!」


「あざっす!」


異世界あったけぇ。


その時。


《解析》が勝手に発動した。


視界に文字が浮かぶ。


《肉料理》

栄養状態:良好

使用肉:ロックボア

調理品質:高


「なんで分かるんだよ!?」


思わず声に出た。


フィアがびくっとする。


「え?」


「あ、いや!」


危ない。


最近これ多いな。


解析、

便利だけど勝手に情報流してくるんだよな。


しかも。


料理だけじゃない。


周囲の人間にも、

うっすら情報が見え始めていた。


《酔っぱらい》

状態:泥酔


いやそのまんまかよ。


《斧戦士》

筋力:高

知能:低


失礼だな解析。


俺は慌てて視線を逸らした。


すると。


《高濃度魔力反応》


突然、

視界の端が赤く光る。


「……?」


ギルド入口。


そこに、

一人の少女が立っていた。


白銀の髪。


青白いローブ。


そして、

どこか神秘的な雰囲気。


年齢は俺たちと同じくらい。


でも。


周囲の空気が変わった。


冒険者たちがざわつく。


「神殿の……?」


「なんでこんな田舎に?」


少女は静かにギルドを見渡す。


その瞬間。


彼女と目が合った。


ゾクリ。


背筋が震えた。


次の瞬間。


《警告》

《超高位存在による感知》


「……は?」


少女の青い瞳が、

真っ直ぐこちらを見ていた。


そして。


彼女はゆっくり口を開く。


「――見つけました」

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