妹たちがなぜか校門のところにいた
この世界は前世と違うことはたくさんある。まず、高校生に対する扱いだ。高校生は成人扱いだ。16歳から成人として扱われるため、高校一年で誕生日が来た子はその日から成人になる。
だからホストクラブでバイトをするのも、あんな遅い時間でも仕事をするのも出来るのだ。もう成人扱いであるためだ。
それのお陰で僕はホストという仕事をすることができるわけだし、
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今日もいつも通り、高校に行き、授業を受け、昼休みは岩佐さんと食事をして、午後の授業を受け終わった。LHRも終わり、後は帰路に付くだけだ。周りの生徒は部活に行ったりとしているけど、今日は部活もない予定だ。
これでも僕は部活に所属している。
でも、今日は部活がなので行く必要もない。
高校は平日であれば毎日あるけど、ホストはそういうわけではない。今日はホストとして何かを勤める予定はないので、久し振りに寄り道でもして帰ろうか。
僕は教室から出て、下駄箱で靴に履き替える。今日の晩御飯は何にしようかなと考えていると校門が見えてきた。
そしてそこには見覚えがある人たちが立っていた。
あちらも僕に気付いたようで校内へと入って来た。
「お兄ちゃん~~」
「兄貴」
妹たちだ。
僕には二人の妹がいる。蘭奈と桃音。
一人ずつ説明すると、蘭奈はいつもうるさい。今は高校1年で僕と違う高校ところに通っている。
容姿は身内贔屓を除いたとしてもかなり整っている方で、黒髪ショートで目鼻立ちもしっかりしているからこれはモテるだろう。さすがに男から告白されるようなことはまだないみたいだけど、同性からは何度も告白されると本人が言っていた。
性格としては『お兄ちゃん~あそんで』とか言って、いつも付きまとってくるような子だ。特に小学校・中学校の頃はひどかったのを今でも覚えている。僕が中学に上がるタイミングで蘭奈は泣きだしたのだ。
確か、『お兄ちゃんと同じ中学校に行く!お兄ちゃんと離れたくないの!!!』とか言い出して、あれは本当にヤバかった。
それが吉川蘭奈という妹だ。
もう一人の妹こと、桃音は蘭奈とは正反対で大人しい子だ。
今は中学2年だ。
こちらも容姿は本当に整っているので、両親には感謝だ。僕を含めて、三人とも美形と呼ばれる部類だから。桃音は容姿と雰囲気からして同性人気が凄まじそうだと思っていた。どうやら本当にそうらしい。蘭奈が言うには一日で五回告白されたこともあるとか。
性格としては大人しいと言ったけど、クールと言った方が正しいかもしれない。何事に対しても達観できるところがあるので、この子の将来は心配ない。年上の蘭奈よりもしっかりしている。
これが吉川桃音という妹だ。
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「なんで二人がここに?」
「なんでってそんなのお兄ちゃんを迎えに決まってるじゃんね、桃音」
「うん、兄貴、ここ最近忙しそうであんまり話せてなかったしさ。今日は暇みたいな話を朝してたし、今日だったら迷惑じゃないかなって」
確かにここ最近はホストとして働き始めたり、初めて同級生に弁当を作ったりと新しいことばっかりしていた。
もしかしたら、妹たちにも変な気を使わせてしまったのかもしれない。
「そっか。迎えに来てくれてありがとう」
「うん!じゃあ帰ろう!」
「兄貴、荷物重かったら持つよ」
「大丈夫だよ。これぐらい自分で持てる」
前世であれば反対だろう。この世界では男の方が弱い。だから、荷物を持ってあげようかと言われるのは男なんだ。
「兄ちゃんってさ、女の子にどれくらい告白されるの?」
「されないよ」
「なんで?」
「いや、なんでって言われてもそれが現実としか言いようがないかな」
どうやら蘭奈はあんまり納得していない様子だ。
「どう考えてもうちのお兄ちゃんがモテない理由がないでしょ。こんなに優良物件で女の子に対しても拒否感もないし、妹にも優しい。こんな非の打ちどころのないお兄ちゃんがなんでモテないの!」
「でも、確かに不思議かも。兄貴なんて絶対にモテるタイプ。小学校とか中学校の頃はすごく告白されてたし」
翌々考えれば、そうだ。小・中学校の頃ってそれなりに告白されてたかも。さすがに付き合うとかはしなかったけど。
高校に入ってから全然告白されてない。入りたての頃に数人から告白されたけど、もうない。
「なんか複雑な気分~お兄ちゃんがモテすぎるのも嫌だけど、モテてないのも許せない!」
「なんで蘭奈が許せないの」
「だって許せないんだもん!」
やっぱり妹としては兄が人気な方がいいんだろうか。でも、さすがにこれはどうしようもない。人気はお金で買えるわけでもないから。
「じゃあ、二人はどうなんだ?」
「どうって?」
「良い人とかいないの?」
小学校にも中学校にも高校にも少なからず、男はいるものだ。男性は女性のことを恐れてはいるものの、結婚したりする男性がいないわけではない。数自体は少ないけど。
「いないかな」
「ぼくもいない」
「そうか。まぁ…母数が少ないしな」
それに結婚することが=幸せとは限らない。男性によっては性格がかなり終わっている人もいるので、地獄のような生活も全然考えられる。
「それに男の人ってなんかうるさいんだもん」
「確かに。ぼくのクラスの奴も女の子のお腹殴ってたりしてた」
ひどいが、これは日常だ。この世界の男性は圧倒的に立場が上なのだ。だからこそ、何をしても許されるという風潮がある。
それが暴力だったとしても。逆に女性が男性に攻撃を加えれば絶対に警察が介入してくるというものだ。これはこの世界に生きていれば誰もが知っている常識のようなもの。
「それはひどいな」
「お兄ちゃんもそう思うよね。そういうのを見ちゃうとね、どう頑張っても世間の男の人を好きになれないというか」
「ぼくもお姉ちゃんに同意。あんな人たちのどこがいいのか分からない」
「まぁ…そうだよね」
その後は授業のことや最近ハマっていることなど他愛のないような話をしながら、時間を過ごした。




