第6話「表彰式」
控室に向かうと小林が先に1人で待っていた。
「おう、遅かったじゃん。」
「すまん、すまん、感極まってたわ」
「モニターで見てたで。めっちゃ泣いてたな。」
「見られてたのか。なんか恥ずかしいな」
「初めて?表彰台。」
「うん。やばいよな。5年乗ってやっとだ。」
「今日良かったよな大輝。ミラー見てていつ抜きに来るかヒヤヒヤしてたよ。」
「結果的に堀本にも抜かれちゃって3位だったけどね。」
その時表彰式の準備が整ったので来てほしいと呼ばれる。
表彰台の袖で待機する。
式が進行していく。
3位から名前が呼ばれる。
「松下ー!大輝ー!」
自分はそれに合わせて表彰台へと駆け出す。
目の前には大勢の観客や各チームのメカニックたち。
3位から順にトロフィーが渡される。
これがトロフィーの重みか。最高だ。
全員にトロフィーが渡されると次はドライバーたちにとってお楽しみのシャンパンファイトだ。
3人がボトルを手に持つ。
ボトルを振り出すとポンと栓が抜ける。
シャンパンが吹き出す。
「冷てぇ!」
「くらえ〜!」小林がかけてくる。
「おかえしだ〜!」すぐにかけ返す。
楽しいひとときだった。
ピットにトロフィーを持ち帰り、表彰台に上がれたことを報告した。
嬉しさのあまり涙するメカニックもいた。
「ついにやったな、おめでとう!」
監督とハグする。
徐々に力が強くなる。
「か…監督…く…苦しい…」
「おっと、すまんすまん、力加減を間違えた。」
「ほんと、強いっすよ、力が」
ピット内にみんなの笑い声が響く。
「さて、今回、この結果を残せたが、今後はどうしたい?」
「もちろん、スーパーフォーミュラに行って日本一を取りたいです。」
「よく言った。来年も期待しているぞ。」
「はい!」
監督と固く握手する。
「さて、撤収するぞー!早く終わらせて、今日は宴だー!」




