第5話「ファイナルラップ」
『大輝、ファイナルラップ、ファイナルラップ、順位は3、ペースはそのままね。』
順調に一つずつコーナーをクリアしていく。
遠くの方を堀本が走っていた。
「堀本、あっという間にあんなとこまで…速いなぁ」
気づけばゴールが近づいてくる。
最終コーナーを抜ける。
目の前にはゴールした堀本。
大歓声が聞こえてくる。
自分の夢が今…
実現した。そう思った。
フィニッシュラインを通過する。チェッカーフラッグを受ける。
『おめでとう!3位!おめでとう!3位だ!』
「っしゃあ!やった!やったぞお…」高々と拳を突き上げる。
目の前が急にぼやける。
『大輝、もしかして泣いてるのか?』
「ごんなうれじいごどないでずぼん」
『うん、大輝、何言ってるか全然分からん(笑)』
バイザーを少し開けて涙を拭う。
一気に世界が明るくなる。
沿道の観客たちにも手を振って応える。
ゆっくりとホームストレートに戻って来る。
みんなが拍手で迎えてくれる。
順位が書かれたボードの前にマシンが止まっていく。
3位のボードの前に自分もマシンを止める。
再び嬉しさが爆発し、涙が溢れてくる。
すると誰かの手が差し伸べられる。
顔を上げると堀本が立っていた。
「何やってるんですか、松下先輩。早く降りましょう。」
「うん…」
頷き、堀本の手を掴む。
マシンを降りると歓声が大きくなる。
その歓声に2人で応える。
堀本とともに控室へと向かった。




