表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
538/554

第二部 第62話 夢の続きをⅠ①






 数日休みをもらったあと。エリーシア国の王宮に全員集合したよ。



 エイリア姫の御両親も戻ってきていた。亡命? どっかに隠れてたんだっけ?

 エリーシア首都にはなんだかんだ言って、初めて来るね。大人ぶる必要が無くなったせいかな? エイリア姫と側近双子がはしゃいでいたよ。


 姫様は例のクリスタル結晶から出られて、今は完全に愛依さんと分離した。

 それから一週間は、各国の王族とかが宮殿に来て、毎日立食パーティーだった。

 色んな人にお礼を言われたよ。そこの王子様との婚約の申し出もあった。


 私たちラポルト勢、というか紘国の女の子は、そういう話に弱い。‥‥だって、あっちに戻れば苦労するのわかってるんだもん。

 でもまあさすがに踏み止まったよ。そもそも私たちのボディって生長(プロビジョナル)補綴体(レストレーションズ)っていう借り物のカラダだし。



 そんな日々がしばらく続いたころ。


「でもそろそろ帰りたいね」


 ぬっくんがそう、言いだした。





 クーデターが起こっていたエリーシア王国。



 今はアトミス国の陰謀だったってバレて、犯人は捕まり。

 だいぶ落ち着いたけどね。

 そこに居候する私たち。エイリア姫も最初はよく一緒にお茶飲んだりしたけど、だんだん忙しくなってきちゃった。なんでも王位を継承するって。亡命していたお父様、現国王が今回あんまり存在感を発揮できなかったし、そもそも不甲斐なくクーデターを招いてしまったから。

 それよりは、ラポルト16と一緒に魔王と戦ったエイリア姫のほうに、国民の人気が集まっちゃってるらしいって。

 でもそこは政治家で、代替わりまでは時間をかけてちゃんと姫を教育するし、取りあえず「エイリア姫への王位継承の準備に入った」って言っとけば国民は納得するだろう、と。


「ふふ。まだ私も世間知らずですし、『今王位継承をちゃんとやってるので待ってね』と適時発信すれば、遅いと怒る国民はそんなにはいないはずです」


 だってさ。やっぱり、こういう王族の人って、中々にしたたかなんだろうね。そうでなければやってけないんだろうけど。


 あ、一回ミナトゥ村のぬっくんハウスにも行ったよ。各村々にも。お世話になったお礼をしに行ったんだけど、やっぱり魔王討伐をめちゃくちゃ感謝されて、逆にお礼を言われた。


 あ、お礼廻りと言えば。

 カミヒラマの附属中三人娘は時間かかったね~。ずっとあっちにいて、昨日ようやく戻って来た。やっぱり三人とも軍事顧問として組織に入ってたから、その引き継ぎをちゃんとやってきたんだって。でも帰り際に「勝利の三女神よ! 行かないでくれ!」と言われたとか何とか。うは~~、モテモテだあ~~。


 そう言えば泉さんも、ずっと王都にある自分のお店に行ったきりだね。確か年下イケメン君を従業員にしてたんだっけ。冗談だけど「泉さん帰ってくるかな? 来なかったりして~? きゃ~~!?」が、最近のラポルト女子のトピックスだよ。

 まあ、泉さん精神年齢高いから、年下が守備範囲なのはわかる気がするよ‥‥。



 精神年齢、と、言えば。前々から気になっていたことが。



「ああ、私ですか? エリーシア王立騎士魔法学園卒ですが?」

(とき)さんてやっぱり、もう中学卒業してるんでしょう‥‥?」



「いえいえ。高等部もです。もう二年も前ですよ」



「‥‥‥‥はい? 高等部? じゃあ、今は‥‥‥‥」

「21歳です。今年誕生日が来て22ですね」


「‥‥‥‥ってことは? ‥‥‥‥当然、(やよい)さん‥‥も?」

「‥‥そうですが? ‥‥一卵性双生児の双子ですから」


「‥‥‥‥‥‥‥‥っ(思考停止)」



 これは事件だ!



「‥‥‥‥ちょっと待って! ちょっと!! みんな来て~~!! 秋さん21歳だって!!」


「「え? ええ~~!?!?」」

「マジっスか!?」

「だ、騙したの?」

「待ってみんな。理由を聞こうよ」


「‥‥‥‥‥‥‥‥そうですか。姉は‥‥みなさんに年齢を明かしていませんでしたか‥‥」


「あ、秋さん、別に今さらいいからね? 私たち怒ってないし。でも驚いた!」

「姉はそれでも融通が利かず実直です。‥‥例えば出身学校などの書類には‥‥?」

「でもやっぱり、周防中学二年生に転校、ってだけだよ?」


「‥‥‥‥。秋さんはコーラ姫と『王立学園高等部卒』って話してた‥‥。グラロス王宮で」

「あ~~ゆず、アンタ知ってたんだ~~?」

「‥‥‥‥。うん」


「あはは~~。先に誰か知ってたら、『仲谷さんって高卒なの? じゃ今何歳?』ってさ、『ふれあい体験乗艦』中にゼッタイなってたゼ☆」

「ある意味スゴイ。21歳の人が中学生に混じってたんだ?」

「そりゃ、ガチで二十歳オーバーじゃ、そのまま精神年齢高かったし。泉さんと気が合うワケだよ」

「確かクズリュー村の時だ。あの時『食糧支援どうするか?』とかで、あの子恋を論破したそうだしな。納得」


「皆様申し訳ございません。姉は、任務の性質上言えなかったと思います」


「いいよ~。全然気にしてない。みんなもいいよね?」

「「そりゃそうさ~」」


「‥‥‥‥ありがとうございます。姉も言っていました。『本当に良い人たちとめぐり逢えた』、『かけがえのない仲間』だと」


「あ~しら、そんな風に思われてたんだ」

「うはぁ! ちなみなんか照れるぅ」


 そんなほのぼのエピソードがある中で、王宮にお客さんが来た。




 ***




「‥‥‥‥その節は、大変ご迷惑をおかけ致しました」



 アトミス国の王位継承権を失った、ゼノス王子、正確にはその彼と入れ替わったツヌ国のゼノス氏だった。私は「二度と私たちの前に現れないで」って言ったんだけど?

 どうしても愛依さんにひと言詫びたいと、王宮の門を叩いたそう。


 会見には、愛依さんの他に、ぬっくん、私、あと国王や騎士団長も同席した。

 ふたりっきりで会わせるわけないじゃん。ダメだよ?


 曰く、グラッセンで愛依さんを拉致した時は、ツヌ国ゼノス氏はゼノス王子の強い影響下にあって、自由な言動はほとんど出来なかったらしい。それを詫びに来たと。



「本当に、済まないことをした」



 すっと頭を下げたゼノス氏‥‥‥‥あれ? 前と雰囲気違う?


 頭を上げたゼノス氏は、まっすぐな目をしていた。前の印象は無かった。


 あれ? 愛依さんが瞳をうるうるさせている。大丈夫? もしかゼノス氏(誠実)がストライクなの? って一瞬思ったけど、服の下でぬっくんの「右手」がしっかり彼女の手を握っていた。

 うん。これならよし。



 ちゃんと捕まえてるんだよ? ぬっくん。





「向こうの世界で。俺があの村、ハシリューに潜入していた、理由を話そう」






※ 作者注 「人物紹介Ⅲ」の記述の伏線回収です。あの回に仕込まれた重要情報は、実はひとつでは無かった! ( ˘ω˘ )


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ