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誕生日2

なかなか投稿できず、すみません。

体調を崩してお休みしていましたが、ようやく回復しました!

更新をお待ちくださった読者の皆様、本当にありがとうございます。

これからまた投稿を再開していきますので、引き続き読んでいただけたら嬉しいです。

今後ともよろしくお願いいたします!

「……ありがとう!」


少し驚いたあと、私は笑顔で答えた。

まさか、蓮くんがわざわざ誕生日を祝ってくれるなんて思っていなかった。


「覚えててくれたんだね」


そう言うと、蓮くんは小さく頷いた。


「ああ」

「ふふっ、嬉しい! ありがとう、蓮くん」


私が笑いかけると、蓮くんも口元を緩め、視線を手元に落とした。

そして、軽く深呼吸をする。


「それと、これ。わざわざ柚葉を呼び出したのは、これを渡したかったからだ」


そう言って、蓮くんは手のひらに収まるくらいの箱を差し出した。

私はそっと受け取る。

見た目からは想像できなかったけれど、箱は思っていたよりもずっしりとしていた。


「これは?」

「誕生日の祝いだ。開けてみろ」

「あ、ありがとう! いいの?」

「そのために渡したんだろ」


蓮くんの返事に、思わず頬が緩む。

私は箱を両手で持ち直し、そっと蓋を開けた。


中に収まっていたものを見て、思わず声を上げる。


「これ、もしかして懐中時計?」

「ああ。その通りだ」


私は箱から金色の懐中時計をそっと取り出し、蓋を開けた。


その瞬間、私は思わず息を呑んだ。


金色の時計は、細やかな雲や蔓の模様で縁取られている。

華やかでありながら、決して派手すぎない。

手のひらに収まるほどの大きさなのに、細部まで丁寧に作られているのが分かる。


けれど、私が何より目を奪われたのは、文字盤だった。

そこには、青い空と白い雲が広がっていた。


「……え?」


思わず私は文字盤を覗き込んだ。

まるで、小さな空をそのまま閉じ込めたかのようだ。


空の絵が描かれているのだろうか。

そう思ったとき、雲がゆっくりと形を変えていることに気づいた。


雲が、動いている。


私は懐中時計から顔を上げ、窓の外を見た。

青空に、白い雲がゆっくりと流れている。


……同じだ。


「これ……どうなってるの?」


思わず尋ねると、蓮くんは文字盤に目を向けた。


「俺が術式を施した。文字盤に、その時の空が映るようになっている」

「蓮くんが?」


この景色を……?


「すごい! こんなこともできるんだね」

「ああ。気に入ったか?」

「うん! すごく!」


答えてから、ふと気づく。

蓮くんは、どうしてこれを選んでくれたんだろう?


不思議に思って顔を上げると、蓮くんと目が合った。

そのまま見つめていると、蓮くんは気まずそうに視線を逸らした。


「……お前、夕焼けが好きって言ってただろ」


その言葉に、私は目を瞬かせた。


夕焼け。


確かに、私は夕焼けを見るのが好きだ。

けれど、それを蓮くんに話したのは、いつだっただろう。


「覚えててくれたんだ」

「……まあな」


そっけない返事だった。

私は手の中の懐中時計に目を落とした。


私が好きなものを覚えていてくれたこと。私のことを考えて、わざわざ選んでくれたこと。

そう思うと、胸の奥がじんわりと温かくなった。


「ありがとう、蓮くん。嬉しい!」

「おう」


そう言って蓮くんはふっと笑い、私の手元に目を落とした。


「それ、蓋の裏も見てみろ」

「裏?」


言われるまま、私は懐中時計を持ち直し、蓋の内側を確かめた。

そこにも細やかな模様が刻まれている。雲の合間に、いくつもの星が散りばめられていた。


「わあ! すごい! こっちも綺麗!」

「気に入ったなら、よかった」


蓮くんはそう言って、少しだけ目を細めた。

私は懐中時計を大切に両手で包み込む。


文字盤に映る空は、今この瞬間の空だ。

時間が経てば、きっと違う景色が見られるのだろう。


夕焼けの時間には、どんな空が映るのだろう。

そう考えると、今から楽しみで仕方がなかった。


「ねえ、蓮くん。これ、毎日使ってもいい?」

「そのために渡したんだ。好きに使え」

「うん。大切に使うね」


私はもう一度、懐中時計を見つめた。


今日という日が、少し特別なものになった気がした。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

最近、朝起きるのが少しずつつらくなってきました……。

布団の誘惑に勝てる日は来るのでしょうか。(絶対来ないな)

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