特訓2
――翌日 昼休み
「今日は昨日見つけた課題点を修正していこう」
蓮くんがそう言い、私たちはそれぞれの苦手なところを練習していった。
「柚葉。また視線が打つ方向に向いてる」
「う……気をつけるね。蓮くんこそ、氷を出す時に左手引いちゃってるよ」
――互いに気づいたところを注意しあい、結構自分の癖の修正ができるようになった頃。
「そういえば、本番って個人戦の後にチーム戦なんだよね?ハードスケジュールすぎない?」
「ああ。だから、個人戦の時にあんまり妖力を使いすぎないようにしないとだな」
「そうだね」
「じゃあ、そろそろ合体技に挑戦してみる?」
その言葉に頷き、私たちはどのような技にするかを話し合った。
私が1番得意な術は狐火だ。
蓮くんが得意な術は氷系統と風系統。
ならば……。
「私が狐火を出すから、蓮くんが風を出して竜巻みたいにしたらいいんじゃない?結構危険かもしれない技だけど……」
「なるほど。いいな。まあなんとかなるでしょ。とりあえず、やってみるか」
それに頷き、私は手を前にかざす。
そして、蓮くんが息を吸う瞬間に息を吐きながら狐火を出した。
すると……。
私の蒼い炎が蓮くんの巻き起こした暴風に呑み込まれ、巨大な火柱となってとぐろを巻く。
「ゴーッ!」と凄まじい風圧が演習場を揺らし、青白い光が壁一面を染め上げる。
髪と制服が激しく煽られ、熱風が押し寄せてきた。
「熱っ!!」
なんというか、火災が起きた時のような感覚だ。
実際にこんな感じなのかは分からないが。
なんとか蓮くんが、燃え広がる炎の周りに氷の膜を作り出し炎を消した。
「これは、なんというか……」
「なかなかの威力だね」
我ながら自分たちの作り出した術にひいてしまう。
「でも、私が1人で『業火』を出すよりも妖力の減りが少ないかも」
蓮くんと長期休み中、実家の地下室で最初に手合わせした時を思い出す。
「確かに。あの時柚葉、妖力切れかけてたもんな」
「うん。たくさんは無理だけど、この合わせ技なら何発かはいける」
私たちは確かな手応えを感じて、小さく笑みを交わした。
丁度授業開始10分前の予鈴の鐘がなったので、撤収しよう。
「それじゃあ、また放課後、生徒会室で」
「うん。また後でね」
私たちは顔を見合わせて笑い、演習場の重い扉を開ける。
廊下の窓から差し込む昼の光の中で、蓮くんが「じゃあな」と満足そうに小さく手を振った。
互いの力を掛け合わせる感覚を手に残したまま、私は自分の教室へと足早に向かったのだった。
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