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学園説明会6

「本当だ! 少しだけど、攻撃が効く」

「だろ?」


妖力を圧縮して撃つと、なんとか攻撃が通ることが分かった。

しかし、使う妖力に対して妖魔に負わせられるダメージが少ない。


「効率が悪い……!というか今妖力を制限しているからこのまま行くと妖力がきれる……」

「そうだよな……攻撃しないといけないから夏祭りの時に使った認識されにくくなる術も使えないし……」


そう蓮くんがいった時。


「白石さん!神楽くん」

「水野さん!」


水野さんが応援に来てくれたようだ。


「強いですね……この妖魔」

「ええ。この騒ぎで説明会の参加者がちらほら裏庭に来てしまっていて……なので、その案内をお願いしてもいいですか?」

「もちろん!」

「ありがとう」


頷いた水野さんはすぐに校舎の方に行き、参加者に避難をするよう呼びかけてくれた。


だが、ホッとしたのも束の間。


「っ……! 危ない!」


蓮くんの叫び声でハッと視線を上げると、妖魔が校舎の方に向かって火球を放ったところだった。


力を持った私たちを狙えばいいのに……と、怒りが湧く。



「『氷刃防壁』!」


間一髪、校舎に火球がぶつかるかぶつからないかというギリギリのところでなんとか蓮くんが構築した氷の壁で食い止める。


しかし。


「くっ……!」

「神楽くん!大丈夫?」


蓮くんが苦しそうに膝を地面につき、肩で息をする。

慌てて駆け寄り背中をさすると、蓮くんは「大丈夫。霊力を使いすぎただけだ」と答えた。


「白石さん! 上!」


水野さんの声でハッと頭上を見る。


すると、妖魔がまた大きい火球を出そうとしていた。


まずい……。


こうなったらもう制限している妖力を放って対処しないと、私もそうだが、せっかく今日この学園に来てくれた参加者も危ない。

もちろん私だって怖い。今だってあの時の映像がフラッシュバックし、恐怖で倒れそうだ。

でも、今覚悟をきめてやらなかったら私はもっと……。


迷っている暇はない! 覚悟を決め、蓮くんの背中から手を離した。

すると、離した私の手を蓮くんが捕まえる。


「ゆ……白石さん! まさか……」

「うん。今、しないと後悔すると思うから」

「そうか。……大丈夫か?」


蓮くんは心配そうに私を見上げる。


「正直怖いよ……本当は逃げ出したいぐらい。特に今は不特定多数の人がいるからね。でも、誰に何を言われようとも神楽くんはそばにいてくれるんでしょ?」


少し揶揄うようにそういうと、蓮くんは真面目な表情で「ああ」と頷いた。


「誰が何を言おうとも」

「それは心強いね。……いくよ。『解放せよ』」


私がそう詠唱すると、妖力が解放され、一本しかなかった黄色の尻尾が九本に増え、金色の瞳が一瞬だけ紅く染まる。


やはり制限を解除するととても楽だ。


私は「ふぅ」と深呼吸をし、火球に向かって手をかざす。


「とりあえずその物騒な火球をしまってもらうわ! 『氷華』!」


その詠唱と同時に氷の槍が生み出され、火球を消し、妖魔の体を切り裂いていく。


「本気モードの白石さんは流石だね」

「ありがと」


蓮くんに微笑みながら、高密度の氷の槍でどんどん妖魔の体を切り裂いていく。


そして――。


「これで……終わりよ! 喰らいなさい!『インフェルノ』!」


結んだ印から解き放たれた蒼炎は、巨大な大蛇のごとくのたうちながら空を駆け抜けた。昼間のように周囲を眩しく照らし出し、視界を圧倒的な光と熱源が埋め尽くす。


眩い爆炎が妖魔を完全に呑み込み、轟音と共にその身を焼き尽くす。熱気が引いたあとには、もう妖魔の残骸すら残っておらず、ただ黒い塵がサラサラと風に舞うだけだった。

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