学園説明会
――翌日 放課後
「今日も生徒会?」
「うん。一緒に寮に行けなくてごめんね」
「大丈夫だよ。頑張ってね〜!」
今日も教室の前で鈴ちゃんと別れ、私は1人で行くかA組によって蓮くんと行くかを悩んでいた。
昨日逃げかえっちゃったし……気まずいというか……。
1人うじうじと悩んでいると、
「何1人でボーッと突っ立ってるのさ」
「ひゃっ!?」
頭上から声がする。
バッと顔を上げると、呆れたような顔をした蓮くんが立っていた。
「びっくりした……蓮くんか……」
「はいはい。何悩んでたの? まあ、聞かなくてもわかるけど。どうせ柚葉のことだから、『昨日のことが恥ずかしくて蓮くんと生徒会室に行くか、1人で行くか悩むな〜』とか、思ってたんでしょ」
「な、なんで……(わかるの?)」
図星を突かれ、言葉に詰まった私を蓮くんは揶揄うような目で見る。
「ほら、さっさと行くよ」
「……は~い」
なんか今日も蓮くんの手のひらの上で転がされているなぁ……と思いながら、私はため息をついて蓮くんの後にとほとぼとついていった。
◇◇◇
「さてさて、全員集まったところで今日の議題だ」
そう言って九条先生は私たちが囲んでいる机の真ん中に紙を置いた。
「先生、これは?」
全員を代表する形で蓮くんが聞く。
「年間予定表だよ。大まかな行事の日にちしか書かれてないけれどね。とりあえず、君たちが生徒会として活動する中にある行事を確認していこう」
九条先生はそう言い、紙の上の方を指差した。
「まずは9月19日。学園説明会だ。毎年多くの受験生とその保護者が訪れる。次に10月17日、18日。1日目の17日が学園祭、2日目の18日が学年別対抗戦だ。最後に、ずいぶん先になるけれど、今年度からの取り組みで4月10日に新入生歓迎会……という流れだ」
「うわっ。予定ギッチギチじゃないですか」
「ていうかなんで長期休み前になんかの行事やっちゃわなかったんんだよ……」
と、私たちが言うと烏丸くん、水野さん、水瀬くんも「計画性、大事」と、激しく頷いた。
そんな私たちを宥める様に九条先生は「生徒会の代交代と中間テストで忙しいの!」と言った。
「まあ気を取り直して、直近の行事が『学園説明会』だね。去年君たちがこの常盤学園を受験する前に来たんじゃない?」
と、九条先生が訪ねる。
しかし、私は色々と忙しすぎて学園説明会は行っていない。
隣に座る蓮くんをチラリと見ると、蓮くんも首を横に振った。
「会長2人とも来てなかったの〜? 烏丸くんたち三人は?」
九条先生は呆れた様に言い、烏丸くんたちの方に尋ねた。
「俺は行きましたね」
「俺も行ったな」
「私は行ってないわ」
ということで、経験者は烏丸くんと水瀬くんだけの様だ。
「ファイト」
「頑張れ」
「陰ながら応援しとくよ」
どこまでも他人気な私たちに、水瀬くんと烏丸くんが「陰ながらじゃねーーよ!」「仕事しろ!」と、突っ込んだ。
「まあまあ。思ったより経験者少ないんだね……まあでも、手探りでいいから、みんなで協力していきましょう! ということで今日の議題は、『学園説明会で何をするか。また、仕事内容の確認』です!……俺の仕事はここまで。後は会長のどっちかが司会して、進めて」
「「はい」」
「じゃあ司会俺やるわ」
「うん。ありがとう」
ということで私たちは、蓮くんの司会のもと、学園説明会の段取りを決めていった。
諸事情により、体育祭をなくしました。(2026/09/01)




