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新学期

この話から「三章 生徒会編」になります!

「暑い〜!」

「暑いねぇ」


私たちは、荷物を抱えて邸の前にいた。


――そう、今日は学園に帰らないといけない日。明日から授業が始まるのだ。


「柚葉お姉様。元気でね」

「ええ。柚鈴と柚乃も。それに、柚鈴は来年常盤学園受けるんでしょ?」

「はい。勉強頑張ります」


そう、柚鈴は来年学園に通える年齢になる。

柚鈴と通えるのは楽しみだ。


「それじゃあ」

「ちゃんと体に気をつけるんだよ」

「神楽くんも柚葉も、来年また戻っておいでやす」


「はい」

「ありがとうございます。当主様」


嬉しそうにそう言った蓮くんの横顔を見ながら私は「ふふっ」と笑う。


最初は「部屋を整えたからと言って長期休み中ずっと使わせるとは言ってない」って言ってたのに。

お母様も存外素直じゃないな。


そんなことを思いながら、私は蓮くんと一緒に馬車に乗りこんだ。


◇◇◇


「楽しかったね」

「それはよかった。また来年も来るでしょ?」

「うん。ありがとう」


そう言って私たちは笑い合う。


家から学園に着くまでの馬車の中、私たちは長期休暇中の思い出などを話していた。



◇◇◇


「帰ってきたって感じだね」

「そうだね。休みが終わったって感じだ」


私たちは馬車から降り、久しぶりに見る常盤学園の校舎を見上げた。


「そう言えば、長期休暇明けから生徒会活動があるんだよね?」

「そうだったな」

「あーー、めんどくさい……!」

「それは諦めるんだな」

「ひどーい……!」

「まあまあ。一緒にいられる時間が長くなるからいいでしょ」

「……!!」


またさらっとそんなことを……。


頬が赤くなっていくのを感じながら、私はプイッとそっぽを向く。


「あはは。ねえごめんって」

「本当に……」


蓮くんが爆笑する。

それを横目で見ながら、私は苦笑するのであった。


◇◇◇


「あっ、柚葉ちゃん! 帰ってきたんだ」

「鈴ちゃん!」


私が寮に帰り、自室の鍵を開けて部屋に入ると、鈴ちゃんが荷物の整理をしていた。


「どうだった? 長期休暇」

「楽しかったよ。久しぶりの実家で」

「そっかぁ。あっそうだ。これ、お土産!」


そう言って鈴ちゃんは私に箱を手渡した。


「ありがとう! 私もあるよ。はい!」

「ありがと〜柚葉ちゃん。いっせいので開けよ?」

「うん」


「「いっせいの!」」


私たちはそれぞれお土産を開ける。


「わあ、可愛い!」

私がもらったのは、海亀の意匠のネックレスだ。


チェーンが長いから制服の下につけられるかもな。


「可愛い! 毎日つけるね!」

「うん! こちらこそありがとう!」


私が鈴ちゃんに買ったのは、ちりめん細工のキーホルダーだ。


「可愛いね! 鞄につけようっと。ありがとう!」

「うん。喜んでもらえてよかった」


私は早速ネックレスをつける。

うん。可愛い。


私は、鏡に映るネックレスを見ながら「ふふっ」と笑った。

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